クラウド会計ソフトとは?機能とメリットをわかりやすく解説

クラウド会計ソフトとは、Webブラウザ上で記帳から決算・申告準備までを行える会計ソフトです。銀行口座やクレジットカードの明細を自動で取り込み、仕訳の候補まで作成できるため、通帳を見ながら手入力する作業そのものを減らせます。

この記事では、クラウド会計ソフトの定義と主な機能、導入が増えている制度上の背景、メリットと導入前に確認すべき注意点、そして導入の進め方までを整理します。製品選びに入る前に「自社に必要かどうか」を判断するための材料としてお読みください。

クラウド会計ソフトとは

クラウド会計ソフトとは、ソフトウェアを自社のPCにインストールせず、インターネット経由でベンダーが提供する会計システムを利用する形態の会計ソフトです。仕訳の入力、総勘定元帳などの帳簿作成、決算書の出力といった会計業務を、Webブラウザ上で完結できます。

会計データはベンダーが管理するサーバー上に保存され、IDとパスワードでアクセスします。経理担当者・経営者・顧問税理士がそれぞれの場所から同じ最新のデータを見られる点が、従来の会計ソフトとの大きな違いです。

クラウド会計ソフトが担う業務の範囲

クラウド会計ソフトが担う業務は、取引データの取り込み・仕訳の作成・帳簿の作成・決算書の作成・申告書類の作成支援という、記帳から申告準備までの一連の流れです。

  1. 取引データの取り込み — 銀行口座・クレジットカード・電子マネーの明細を自動取得する
  2. 仕訳の作成 — 取り込んだ明細から勘定科目を推測し、仕訳の候補を提示する
  3. 帳簿の作成 — 確定した仕訳から仕訳帳・総勘定元帳・補助簿を自動生成する
  4. 決算書の作成 — 貸借対照表・損益計算書などをリアルタイムに集計する
  5. 申告書類の作成支援 — 消費税・法人税の申告書類作成やe-Tax連携を支援する

税務判断や決算の最終確認までを自動化するものではありません。記帳と集計の作業を機械に任せ、担当者や税理士は判断が必要な部分に集中するための仕組みです。

インストール型会計ソフト・ERPとの違い

クラウド会計ソフトはブラウザで使う月額課金型、インストール型は特定のPCで使う買い切り型が中心、ERPは会計を含む基幹業務全体を統合する仕組みという違いがあります。

区分 利用形態 料金体系の中心 主な対象
クラウド会計ソフト ブラウザ経由でベンダーのサーバーを利用 月額・年額のサブスクリプション 個人事業主〜中堅企業
インストール型会計ソフト 自社PCにインストールして利用 買い切り+保守・更新費用 既存資産を活かしたい企業
ERP 会計・販売・在庫・人事などを統合 個別見積もりが中心 中堅〜大企業

なお、インストール型でもクラウド保存に対応する製品があり、境界は以前ほど明確ではありません。両者の違いをより詳しく知りたい場合は、クラウド会計とインストール型会計ソフトの違いとは?選び方を徹底解説をご覧ください。

クラウド会計ソフトの導入が増えている背景

クラウド会計ソフトの導入が広がっている理由は、経理に求められる法対応が数年単位で更新され続けている一方で、対応にあてられる人員が増えていないことにあります。制度面の動きを、公的な情報をもとに整理します。

電子取引データの電子保存が義務化された

電子帳簿保存法により、電子データでやり取りした請求書・領収書・契約書などは、電子データのまま保存することが法人・個人事業者に義務付けられています。 国税庁の「電子帳簿等保存制度特設サイト」では、同制度が①電子帳簿等保存(希望者のみ)②スキャナ保存(希望者のみ)③電子取引データ保存(法人・個人事業者は対応が必要)の3つに区分されると説明されています。

電子取引データの保存では、改ざん防止のための措置(真実性の確保)と、日付・金額・取引先で検索できる状態(可視性の確保)の両方が求められます。ただし国税庁の資料によれば、基準期間(2年(期)前)の売上高が5,000万円以下の事業者などは、税務調査の際にデータのダウンロードの求めに応じられるようにしていれば、検索要件を満たす必要はないとされています。なお、保存要件を満たせない相当の理由がある場合の猶予措置も設けられていますが、電子データそのものを保存する義務が免除されるわけではありません。

※2026年7月時点で国税庁「電子帳簿等保存制度特設サイト」および同庁パンフレット「電子帳簿等保存制度を活用して、デジタル化をさらに進めてみませんか?」(令和8年6月)を確認した内容です。

インボイス制度の経過措置が2026年10月から縮小する

インボイス制度では、免税事業者など適格請求書発行事業者以外からの課税仕入れについて、一定割合を控除できる経過措置が設けられています。国税庁「消費税法改正のお知らせ(令和8年4月)」によれば、この経過措置は適用期限が2年延長されたうえで控除割合が見直され、「7割・5割・3割控除」と段階的に引き下げられます。 国税庁のインボイス制度の解説ページでは、経過措置は令和13年(2031年)9月末までとされています。

控除割合が段階的に変わるということは、同じ取引先からの仕入れでも時期によって税額計算が変わることを意味します。取引先ごとに登録番号の有無を管理し、対象取引を正しく区分する必要があるため、手作業での消費税区分の管理は負担が大きくなります。

※2026年7月時点で国税庁「消費税法改正のお知らせ(令和8年4月)」および「インボイス制度の概要」を確認した内容です。具体的な適用は取引内容により異なるため、判断に迷う場合は顧問税理士にご相談ください。

「優良な電子帳簿」「デジタルシームレス保存」に税制上の優遇が設けられた

国税庁は、一定の要件を満たす電子帳簿の作成・保存に対して税制上の優遇措置を設けています。前掲の国税庁パンフレット(令和8年6月)によると、内容は次のとおりです。

区分 優遇措置の内容 適用時期
優良な電子帳簿 対象帳簿に関する過少申告があった場合、過少申告加算税の割合が原則10%から5%に軽減 適用を受ける課税期間の初日から要件を満たす備付け・保存が必要
デジタルシームレス保存 対象の電子取引データに関連する仮装・隠蔽行為について、重加算税10%加重の適用対象から除外 令和9年1月1日以後に法定申告期限が到来する国税
青色申告特別控除(個人事業者) 上記いずれかの要件を満たし電子申告した場合、65万円から75万円に引き上げ 令和9年分以後の所得税

「デジタルシームレス保存」は令和7年度税制改正で新設された制度で、請求書等の電子取引データを自動で保存し、帳簿に自動連携する仕組みを指します。いずれの優遇措置も、適用にはあらかじめ届出書の提出が必要であり、国税庁長官が定める基準に適合するシステムを使う必要があります。制度に対応したソフトを使うことが、そのまま税制上の選択肢につながる構図になっています。

経理人材の不足と働く場所の多様化

制度対応の負荷が増える一方で、経理担当者を増員できる企業は限られます。加えて、在宅勤務や複数拠点での勤務が定着したことで、「特定のPCでしか記帳できない」状態が業務のボトルネックになるケースが増えました。場所を問わず同じデータにアクセスでき、法改正の対応をベンダー側に任せられる点が、クラウド型が選ばれる実務上の理由です。

クラウド会計ソフトの主な機能

クラウド会計ソフトの中心となる機能は、明細の自動取込と自動仕訳・帳簿と決算書の自動作成・証憑データの電子保存・税理士とのデータ共有・周辺業務との連携の5つです。

銀行口座・クレジットカード明細の自動取込と自動仕訳

自動取込・自動仕訳の機能では、登録した銀行口座やクレジットカード、電子マネーの明細を定期的に取得し、摘要などから勘定科目を推測して仕訳の候補を提示します。一度確定した仕訳のパターンを学習し、次回以降の精度を高める仕組みを備える製品が一般的です。

何が楽になるか:明細の自動取込により、通帳やカード明細を見ながら1件ずつ入力する作業と、入力ミスの確認作業がなくなります。

帳簿・決算書の自動作成

帳簿作成の機能では、確定した仕訳から仕訳帳・総勘定元帳・補助簿を自動生成し、貸借対照表や損益計算書を随時集計します。試算表は入力と同時に更新されるため、締めを待たずに現時点の数値を確認できます。

何が楽になるか:帳簿の自動作成により、期末にまとめて集計する作業と、帳簿間の数値を突き合わせる検算作業がなくなります。

証憑データの電子保存と検索

証憑管理の機能では、メールやWebで受領した請求書・領収書のPDFや、スキャンした紙の書類を、取引データと紐づけて保存します。日付・金額・取引先での検索に対応した製品であれば、電子帳簿保存法が求める可視性の確保に沿った運用がしやすくなります。

何が楽になるか:証憑の電子保存により、書類を探すためにファイルサーバーやメールボックスを横断する時間がなくなります。

税理士・会計事務所とのデータ共有

データ共有の機能では、顧問税理士や会計事務所のメンバーをアカウントとして招待し、同じデータを閲覧・修正できるようにします。閲覧のみ、特定期間のみといった権限設定に対応する製品もあります。

何が楽になるか:税理士とのデータ共有により、月次でデータファイルを書き出して送付し、指摘を受けて修正版を送り直す往復がなくなります。

請求・経費・給与など周辺業務との連携

連携機能では、請求書発行・経費精算・給与計算・勤怠管理といった周辺システムのデータを会計側に取り込みます。同一ベンダーのシリーズ製品どうしであれば標準で連携でき、他社製品とはAPIやCSVで連携する形が一般的です。

何が楽になるか:周辺業務との連携により、請求データや経費データを会計ソフトに再入力する二重作業がなくなります。

5つの中心機能のほかに、部門別会計、承認ワークフロー、閲覧・編集権限の管理、外貨対応を備える製品もあります。必要な範囲は企業規模によって変わるため、機能の多さではなく自社の業務に必要かどうかで判断してください。

クラウド会計ソフトを導入するメリット

クラウド会計ソフトを導入するメリットは、手作業の削減・法改正対応の外部化・数値の早期把握・複数人での同時利用・税制上の優遇措置の選択肢の5点です。

記帳と転記の手作業を減らせる

明細の自動取込と自動仕訳により、取引件数に比例して増えていた入力作業を圧縮できます。転記そのものが発生しないため、金額の打ち間違いや勘定科目の付け間違いも起こりにくくなります。口座やカードの利用件数が多い事業ほど削減幅は大きくなります。

法改正への対応をベンダー側に任せられる

税制改正や電子帳簿保存法の要件変更に対してベンダー側がソフトを更新するため、利用者はバージョンアップ作業や更新版の購入を意識せずに済みます。改正が数年単位で続く現在の環境では、対応漏れが起きない状態を維持できること自体が実務上の価値になります。

経営数値を月次の締めを待たずに確認できる

仕訳が入力された時点で試算表や損益計算書が更新されるため、月次資料が出来上がるのを待たずに現時点の売上や経費を確認できます。資金繰りの判断や、期末の着地見込みの検討を早い段階で始められます。

場所・端末を選ばず複数人で同時に使える

ブラウザとインターネット環境があれば、拠点や自宅からでも同じデータにアクセスできます。経理担当者・経営者・税理士が同時に作業でき、「担当者のPCが空くのを待つ」状態が発生しません。

税制上の優遇措置を受けられる可能性がある

前述の「優良な電子帳簿」や「デジタルシームレス保存」の機能要件を満たしたソフトを使うことで、過少申告加算税の軽減措置などを受けられる可能性があります。公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)の認証を受けたソフトはこれらの機能要件を満たしているとされ、認証製品の一覧はJIIMAのWebサイトで公開されています。国税庁も自庁サイトでJIIMA認証情報を案内しています。

ただし、機能要件を満たすソフトを使うだけでは優遇措置は受けられません。 システムの説明書やディスプレイの備付けといった運用面の要件を満たし、あらかじめ届出書を提出する必要があります(2026年7月時点、国税庁パンフレットに基づく)。

導入前に確認したいデメリット・注意点

クラウド会計ソフトは万能ではなく、インストール型と比べて不利になる面もあります。導入前にコスト構造・通信環境・カスタマイズ性・セキュリティ・税理士の対応状況の5点を確認しておくことをおすすめします。

利用している間はコストが発生し続ける

クラウド会計ソフトは月額または年額の継続課金が基本のため、買い切り型と異なり、使い続ける限り費用が発生します。2026年7月時点で主要製品の公式料金ページを確認したところ、小規模法人向けの最小構成は月額2,500〜3,000円前後、中堅企業向けの製品では年額9万円台からという水準で、対象規模によって価格帯が分かれていました。

見積もりの際は、初期費用の有無・利用人数の上限・追加ユーザーの単価・最低契約期間までを確認してください。 製品ごとの料金と機能を並べて比較したい場合は、クラウド会計ソフトのおすすめ8選を比較【2026年版】料金・機能・選び方をご覧ください。

※料金は2026年7月時点の各社公式サイトの調査に基づく参考値です。最新情報は各社公式サイトでご確認ください。

通信環境と動作速度の影響を受ける

インターネット経由で利用するため、通信が不安定な環境では動作が遅くなったり、作業が中断したりする可能性があります。大量の仕訳をキーボードで連続入力する場面では、ローカルで動作するインストール型のほうが軽快に感じられる場合もあります。入力速度を重視する経理体制であれば、トライアルの段階で実際の入力操作を確認しておくことをおすすめします。

独自帳票やカスタマイズの自由度は高くない

クラウド会計ソフトは多数の利用者が同じシステムを共用する前提で提供されるため、自社独自の帳票レイアウトや特殊な原価計算ロジックへの個別対応は難しいのが一般的です。既存の運用をそのまま再現しようとすると要件が合わない場合があるため、「システムに合わせて運用を見直せるか」を事前に検討しておく必要があります。

データを社外に預ける前提でのセキュリティ確認が必要

会計データはベンダーのサーバーに保存されるため、自社で管理する場合とは異なる観点での確認が必要です。通信の暗号化、二要素認証の有無、操作ログの記録、権限設定の細かさ、サービス障害時の対応方針、そして解約時にデータをどの形式で取り出せるかを契約前に確認しておくと安心です。

顧問税理士が対応していないと二重作業が残る

顧問税理士や会計事務所が導入予定のソフトに対応していない場合、結局データを書き出して渡す運用が残り、期待した効率化につながりません。会計事務所側にも慣れたソフトがあるため、製品を決める前に顧問税理士へ対応可否と希望を確認することが、導入後の手戻りを防ぐうえで最も効果的です。

クラウド会計ソフトの導入を検討すべき企業と急がなくてよい企業

クラウド会計ソフトは、取引件数が多く、記帳や証憑管理に人手をかけている企業ほど効果が出やすい仕組みです。一方で、現在の運用で支障が出ていない企業が急いで移行する必要はありません。

導入効果が出やすい企業の条件

導入効果が出やすいのは、次のいずれかに当てはまる企業です。

  • 銀行口座やクレジットカードの取引件数が多く、明細の手入力に時間がかかっている
  • 電子データで受け取る請求書・領収書が増え、保存方法が定まっていない
  • 拠点が複数ある、または在宅勤務があり、同じデータに複数人がアクセスする必要がある
  • 顧問税理士とのデータのやり取りが月次で発生し、書き出しと送付に手間がかかっている
  • 経理担当者が少数で、法改正への対応を自社で追いきれない

移行を急がなくてよい企業の条件

取引件数が少なく現行の会計ソフトで支障が出ていない場合や、インターネット接続が制限された環境で業務を行っている場合は、無理に移行する必要はありません。独自の帳票や原価計算ロジックが業務の中核になっている場合も、要件が合うかを慎重に確認すべきです。

ただし、電子取引データを電子のまま保存する義務は企業規模にかかわらず生じます。 会計ソフトを移行しない場合でも、電子データの保存方法だけは別途整備しておく必要があります。

クラウド会計ソフト導入の進め方

クラウド会計ソフトの導入は、現状整理 → 候補の比較 → 無料トライアル → データ移行と初期設定 → 並行運用を経て本格移行の5ステップで進めるのが一般的です。期首から新しいソフトで記帳を始められるよう、決算期から逆算してスケジュールを組むことをおすすめします。

ステップ 内容 確認しておきたいこと
1. 現状整理 記帳・証憑管理・決算準備のどこに時間がかかっているかを洗い出す 手入力している取引の件数、電子で受領している書類の種類
2. 候補の比較 事業規模・必要機能・料金体系から2〜3製品に絞る 利用人数の上限、追加ユーザー単価、部門別会計の要否、JIIMA認証の有無
3. 無料トライアル 自社の口座を連携し、自動仕訳の精度と操作感を確認する 入力担当者にとっての使いやすさ、必要な帳票の出力可否
4. データ移行・初期設定 既存データを移行し、勘定科目・部門・権限を設定する 過去データの移行範囲、期首残高の設定方法
5. 並行運用・本格移行 一定期間は従来の方法と並行し、数値の一致を確認してから切り替える 税理士との共有方法、電子帳簿保存法の運用ルール

※期間や進め方は本記事が一般的な導入プロセスをもとに整理した目安です。事業規模や移行するデータ量によって変動します。

とくに重要なのは、ステップ2に入る前に顧問税理士へ相談することです。会計事務所側の対応状況によって現実的な候補が絞られるため、先に確認しておくと比較の手戻りがなくなります。個人事業主から法人化するタイミングで見直す場合は、法人成りしたら会計ソフトはどうする?個人事業主からの切り替えポイントもあわせてご確認ください。

クラウド会計ソフトに関するよくある質問

クラウド会計ソフトの検討時に相談の多い5つの疑問について、2026年7月時点の情報をもとに回答します。

Q. クラウド会計ソフトを導入すれば電子帳簿保存法に自動的に対応できますか?

ソフトの導入だけでは要件を満たしません。国税庁のパンフレット(令和8年6月)では、税制上の優遇措置を受けるには機能要件のほかにシステムの説明書やディスプレイ等の備付けといった要件を満たす必要があり、あらかじめ届出書の提出も必要であると案内されています。ソフト選定と並行して、社内の保存ルールや事務処理規程を整備してください。JIIMA認証の有無は、機能面を確認する際の目安になります。

Q. インターネットが使えないとき、経理業務は止まってしまいますか?

クラウド会計ソフトはインターネット接続を前提としているため、通信が途絶えている間はブラウザからの入力や参照ができません。ただし、必要な帳票をあらかじめPDFやCSVで出力しておけば閲覧は可能です。通信障害が業務に直結する懸念がある場合は、モバイル回線などの代替手段を用意しておく、締め作業は通信が安定した環境で行うといった運用でリスクを抑えられます。

Q. 解約した場合、それまでの会計データはどうなりますか?

データの取り扱いはベンダーごとに異なり、一定期間は閲覧のみ可能とする製品、CSVなどでの書き出しに対応する製品などがあります。帳簿と証憑には法定の保存期間があるため、契約前に「どの形式で、いつまでにデータを取り出せるか」を必ず確認してください。 定期的にデータを書き出して自社にも保管しておくと安全です。

Q. クラウド会計ソフトを導入すれば税理士は不要になりますか?

不要にはなりません。クラウド会計ソフトが自動化するのは記帳と集計の作業であり、税務上の判断や決算の適正性の確認は人が担う領域です。むしろ、記帳が自動化されることで税理士との相談内容を「入力作業の確認」から「節税や資金繰りの相談」に移せる点が実務上のメリットになります。

Q. 経理担当者が1人しかいない会社でも導入する意味はありますか?

担当者が1人の企業ほど効果が出やすいといえます。法改正への対応と作業の属人化という2つのリスクを同時に抱えているためです。ソフト側が制度改正に追随し、経営者や税理士が同じデータをいつでも確認できることで、担当者が不在になった際も業務が止まりにくくなります。ただし、経営者側にも管理者アカウントを持たせておくことが前提です。

まとめ

クラウド会計ソフトは、ブラウザ経由で記帳から決算・申告準備までを行い、銀行明細の自動取込と自動仕訳によって入力作業そのものを減らす仕組みです。

  • 主な機能は、明細の自動取込と自動仕訳・帳簿と決算書の自動作成・証憑データの電子保存・税理士とのデータ共有・周辺業務との連携の5つ
  • 導入が増えている背景には、電子取引データの電子保存義務、インボイス制度の経過措置の段階的な縮小、優良な電子帳簿・デジタルシームレス保存の税制優遇という制度面の動きがある
  • メリットは手作業の削減にとどまらず、法改正対応をベンダー側に任せられることと、締めを待たずに数値を確認できること
  • 注意点は、継続課金・通信環境への依存・カスタマイズの自由度・データを社外に預ける前提での確認事項
  • 製品を絞り込む前に顧問税理士の対応可否を確認し、移行は期首のタイミングに合わせると手戻りが少ない

自社に合う製品を具体的に比較したい場合は、クラウド会計ソフトのおすすめ8選を比較【2026年版】料金・機能・選び方で、料金・機能・対象規模を一覧で確認できます。掲載サービスの一覧と資料請求はクラウド会計ソフトのカテゴリページからご覧いただけます。

本記事の調査方法

本記事は、2026年7月に以下の一次情報を確認したうえで作成しています。

制度に関する情報(国税庁) 電子帳簿等保存制度特設サイト/パンフレット「電子帳簿等保存制度を活用して、デジタル化をさらに進めてみませんか?」(令和8年6月)/「請求書等を帳簿に自動連携する仕組みに対応した制度が新設されました」(令和7年4月)/「消費税法改正のお知らせ」(令和8年4月)/インボイス制度の概要/JIIMA認証情報リスト

料金・機能に関する情報(各社公式サイト) マネーフォワード クラウド会計(株式会社マネーフォワード)/弥生会計 Next(弥生株式会社)/勘定奉行クラウド(株式会社オービックビジネスコンサルタント)/freee会計(freee株式会社)

料金・機能・提供条件および税制の取扱いは変更される場合があります。契約前には各社公式サイトおよび見積もりで、税務上の判断については顧問税理士または所轄税務署でご確認ください。

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