採用管理システム(ATS)の費用を調べると、「無料プランあり」と「月額50,000円〜」が同じ検索結果に並びます。勤怠管理や給与計算のように従業員数を単価に掛ければ済む世界ではなく、課金の分母が製品によって「月間の候補者数」だったり「公開する求人の件数」だったりするためです。自社の採用規模でいくらになるのか、公式サイトを見ても見当がつかないというのが検討初期の実感ではないでしょうか。
この記事では、SmartSpaceに掲載している採用管理システム10製品の公開料金をもとに、費用の内訳、料金体系の4タイプ、月間候補者数30名・50名・200名での月額シミュレーション、見落としやすい契約条件、コストを抑える視点を整理します。掲載しているのはすべて各社公式サイトで公開されている金額です。
本記事に記載した料金は2026年8月時点の各社公式サイトの公開情報に基づく参考値です。最新情報は各社公式サイトでご確認ください。税表示(税抜・税別・税込)は各社の表記に従っています。
採用管理システムの費用を構成する4項目
採用管理システムの費用は、初期費用・月額利用料・オプション料金・契約条件による下限額の4項目で構成されます。掲載10製品を確認すると、月額利用料を公開している製品と個別見積もりの製品がちょうど半々に分かれ、公開されている金額も0円から60,000円まで幅がありました。
| 費用項目 | 内容 | 掲載10製品での実態 |
|---|---|---|
| 初期費用 | 契約時に一度だけ発生する導入費用 | 0円が5製品、要問い合わせが5製品 |
| 月額利用料 | 毎月継続して発生する利用料 | 金額を公開しているのが5製品(0〜60,000円)、個別見積もりが5製品 |
| オプション料金 | 標準機能に含まれない機能の追加料金 | 採用AI・LINE連携・適性検査などが加算対象。金額は要問い合わせ |
| 契約条件による下限額 | 年間契約・最低契約期間・データ保持期間 | 1年契約を前提に価格を提示する製品が複数存在 |
初期費用は10製品中5製品が0円
採用管理システムの初期費用は、0円と明記する製品と、公式サイトに金額の記載がなく要問い合わせとなる製品に分かれます。掲載10製品の内訳は次のとおりです。
| 初期費用 | 該当製品 |
|---|---|
| 0円 | HRMOS採用、sonar ATS、ジョブカン採用管理、Talentio、採用係長 |
| 要問い合わせ | HERP Hire、i-web、One人事[採用]、JobSuite CAREER、MOCHICA |
金額を公開している5製品はいずれも0円で、有償の初期費用を公表している製品は掲載10製品には見当たりませんでした。初期費用の額そのものより、要問い合わせの製品で初期設定・データ移行が有償かどうかを見積もり時に確認するほうが、実務上の意味は大きくなります。
月額利用料は無料から60,000円まで幅がある
月額を公開しているのは5製品で、残り5製品は採用規模に応じた個別見積もりです。公開されている金額は次のとおりです。
| 製品 | 公開されている月額 |
|---|---|
| ジョブカン採用管理 | 無料プラン0円/LITEプラン8,500円〜/STANDARDプラン30,000円〜 |
| 採用係長 | トライアル0円/ライト9,800円/スタンダード19,800円/プロ29,800円/エンタープライズ59,800円(いずれも1年契約) |
| sonar ATS | 基本プラン22,000円(税込)〜 |
| Talentio | FREE 0円/STANDARD 25,000円(年間契約20,000円)/PLUS 60,000円 |
| JobSuite CAREER | 月額50,000円(税抜)〜 |
個別見積もりとなるのはHRMOS採用、HERP Hire(有料プラン)、i-web、One人事[採用]、MOCHICAの5製品です。HRMOS採用はLite・Standard・Enterpriseの3プランを設けており、登録可能な応募者数や利用機能に応じて金額が決まると案内しています。i-webも候補者数や利用目的によって変動する個別見積もりです。
オプション料金は採用AI・LINE連携・適性検査で加算される
標準機能の範囲は製品ごとに異なり、選考を効率化する機能をオプションとして提供する製品があります。sonar ATSは採用AI・LINE連携・適性検査などを必要に応じて追加できる構成で、追加分の金額は要問い合わせです。One人事[採用]も、事業ステージや課題に合わせて導入する機能を選べる料金体系を採っています。
金額が公開されていない以上、必要な機能をリスト化したうえで「その構成での総額」を各社に提示してもらう進め方が、比較可能な数字を集める近道になります。
年間契約と無料プランの制限が実質的な下限を決める
採用管理システムでは、月額の金額そのものより契約条件が実質の負担を左右します。掲載製品で公開されている条件は次のとおりです。
| 製品 | 条件 |
|---|---|
| 採用係長 | 公開されている月額は1年契約時の価格。6か月契約は月額が割高になる |
| Talentio | STANDARDプランは月額25,000円、年間契約なら20,000円 |
| ジョブカン採用管理 | 無料プランは候補者登録上限30名/月、データ保持期間は30日 |
| HERP Hire | フリープランは月間応募数30名以下向け。求人媒体からの応募情報の自動連携などに制限あり |
ジョブカン採用管理の無料プランはデータ保持が30日のため、選考期間が1か月を超える職種では過去の候補者情報が参照できなくなります。無料プランの制限は「人数」だけでなく「期間」と「連携機能」にもかかる点を押さえておくと、無料で始めたあとの想定外を減らせます。
採用管理システムの料金体系4タイプと掲載10製品の分類
採用管理システムの料金体系は、候補者数従量課金型・求人掲載数課金型・利用範囲別定額型・無料プラン併用型の4つに分類できます。自社の「月にどれだけ応募が来るか」と「同時に何ポジション募集するか」のどちらが大きいかで、有利な体系が変わります。
| 料金体系タイプ | 課金の仕組み | 該当製品 |
|---|---|---|
| 候補者数従量課金型 | 月間の候補者数・登録応募者数の上限でプランが決まる | ジョブカン採用管理、Talentio、sonar ATS、HRMOS採用、HERP Hire、i-web |
| 求人掲載数課金型 | 公開する求人の件数でプランが決まる | 採用係長 |
| 利用範囲別定額型 | 利用範囲に応じた月額を個別見積もりで決める | JobSuite CAREER、One人事[採用]、MOCHICA |
| 無料プラン併用型 | 一定の候補者数までは0円、超過分から有料 | ジョブカン採用管理、HERP Hire、Talentio |
なお、掲載10製品はすべてクラウド型で、ソフトウェアを買い取って自社に設置する買い切り型の製品は含まれていません。買い切り型を候補に入れたい場合は、掲載製品以外を別途探す必要があります。
候補者数従量課金型は「月に何人応募が来るか」で月額が決まる
候補者数従量課金型は、システムを使う人事担当者の人数ではなく、システムに登録される候補者の人数でプランが決まる方式です。ジョブカン採用管理は候補者登録数に応じた従量課金制で、LITEプランは〜50名で月額8,500円、STANDARDプランは〜150名で月額30,000円と公式サイトに記載しています。Talentioも同様に、FREEプランが月50名まで、STANDARDプランが月200名までという上限設定です。
採用担当者が1人でも10人でも月額が変わらないため、人事部門の人数が増えてもコストが伸びにくいのが特徴です。反面、求人媒体を増やして応募が急増した月には、想定より上のプランに乗り換える必要が生じます。
ジョブカン採用管理
★★★★★★★★★★- 初期費用
- 0円
- 月額費用
- 0円〜(無料プランあり)
- 無料トライアル
- あり
- 最短導入
- 要問い合わせ
- 月間候補者30名までは無料で利用できる無料プランを用意
- 候補者登録数に応じた従量課金制でスモールスタート可能
- ジョブカンシリーズ(勤怠・給与・労務)や求人媒体との連携に対応
求人掲載数課金型は募集ポジションの数で決まる
採用係長は、候補者数ではなく公開する求人の件数でプランが分かれます。1年契約の場合、ライトプランが月額9,800円(公開求人3件まで)、スタンダードプランが月額19,800円(公開求人10件まで)、プロプランが月額29,800円、エンタープライズプランが月額59,800円(公開求人500件まで)です。0円のトライアルプランでも公開求人3件までを扱えます。
同じ職種を継続して募集する企業では求人件数が増えにくいため、応募が多くても月額が一定に保たれます。逆に、多拠点・多職種で常時20〜30件の求人を掲載する企業では、上位プランが前提になります。
採用係長
★★★★★★★★★★- 初期費用
- 0円
- 月額費用
- 9,800円〜
- 無料トライアル
- あり(公開求人3件まで無料)
- 最短導入
- 要問い合わせ
- 自社採用ページの作成とIndeed等の求人検索エンジン連携
- 公開求人数に応じた4段階の料金プラン
- 1年契約なら月額9,800円からの低価格帯
利用範囲別定額型は運用に合わせた個別見積もりになる
利用範囲別定額型は、公開されている下限額を起点に、利用範囲へ応じた個別見積もりで金額を決める方式です。JobSuite CAREERは月額50,000円(税抜)〜と公開しており、運用に合わせた仕様変更(カスタマイズ)に対応します。One人事[採用]は導入する機能を選べる構成、MOCHICAは問い合わせ後のヒアリングでプランを決める流れです。
金額の目安が事前に読みにくい一方、選考フローや連携先が独自の企業では、既存の運用に合わせた構成を組める点が判断材料になります。
JobSuite CAREER
★★★★★★★★★★- 初期費用
- 要問い合わせ
- 月額費用
- 月額50,000円(税抜)〜
- 無料トライアル
- 要問い合わせ
- 最短導入
- 要問い合わせ
- 人材紹介・求人媒体・自社サイトの応募者情報を1か所に集約できる
- 選考依頼・日程調整・候補者とのやり取りを画面上で完結できる
- 運用に合わせた仕様変更(カスタマイズ)に対応している
無料プラン併用型は月間30〜50名までなら0円で運用できる
掲載10製品のうち3製品が、期限を設けない無料プランを用意しています。ジョブカン採用管理は月間候補者30名まで(データ保持30日)、HERP Hireは月間応募数30名以下、Talentioは月50名までの候補者管理を0円で利用できます。
年間の採用人数が数名で、応募も月30名程度に収まる企業であれば、無料プランのままで運用できる可能性があります。ただし求人媒体からの自動連携やAPI連携は有料プランの機能とされている製品が多いため、媒体からの取り込みを手作業で続けられるかが無料継続の分かれ目になります。
Talentio
★★★★★★★★★★- 初期費用
- 0円
- 月額費用
- 0円〜(無料プランあり)
- 無料トライアル
- あり
- 最短導入
- 要問い合わせ
- 月50名まで候補者管理できる無料のFREEプランを用意
- 求人媒体からの応募を一元管理し選考進捗を可視化
- 面接の日程調整を自動化し採用業務の負担を軽減
月間候補者数30名・50名・200名で試算した採用管理システムの月額費用
掲載10製品の公開料金を使い、月間候補者数30名・50名・200名の3パターンで月額を試算しました。試算の前提は次のとおりです。
- 各社が公開している候補者数の上限に当てはめてプランを選定
- 標準的な採用管理機能のみを利用し、オプションは追加しない
- 各社の表記どおりの金額で計算(税抜・税別・税込が混在)
- 年間契約前提で価格を提示している製品は、その金額を記載
- 公開値の前提を超える場合は要問い合わせとして扱う
年間採用人数ではなく月間候補者数を軸にする理由
掲載10製品の課金の分母を確認すると、6製品が「月間候補者数・登録応募者数」、1製品が「公開求人件数」、3製品が「利用範囲に応じた個別見積もり」で、年間の採用決定人数を課金基準にしている製品は1つもありませんでした。年間採用人数5名という条件だけでは、月額を確定できません。
一方で、年間採用人数から候補者数を逆算するには、書類選考の通過率や応募からの離脱率といった自社固有の数字が要ります。ここでは公開料金だけを根拠にするため、各社がプラン区分に使っている「月間候補者数」を軸に試算します。自社の数字を当てはめる際は、直近12か月の応募者数を月別に並べ、最も多かった月の人数を基準にすると、上限超過による突然のプラン変更を避けやすくなります。
月間候補者数30名の月額費用
月間候補者数30名では、0円の無料プランから月額50,000円までが選択肢に入ります。有料プランだけを見ると月額8,500〜50,000円、年間換算で約10万〜60万円の範囲です。
| 製品 | プラン | 月額(候補者30名) |
|---|---|---|
| ジョブカン採用管理 | 無料プラン(候補者30名/月・データ保持30日) | 0円 |
| HERP Hire | フリープラン(月間応募30名以下) | 0円 |
| Talentio | FREE(月50名まで) | 0円 |
| ジョブカン採用管理 | LITEプラン(〜50名・媒体自動連携なし) | 8,500円〜 |
| 採用係長 | ライトプラン(1年契約・公開求人3件まで) | 9,800円 |
| 採用係長 | スタンダードプラン(1年契約・公開求人10件まで) | 19,800円 |
| sonar ATS | 基本プラン(税込) | 22,000円〜 |
| Talentio | STANDARD(月200名まで・年間契約20,000円) | 25,000円 |
| ジョブカン採用管理 | STANDARDプラン(〜150名・媒体自動連携あり) | 30,000円〜 |
| JobSuite CAREER | 月額プラン(税抜) | 50,000円〜 |
| HRMOS採用/HERP Hire(有料)/i-web/One人事[採用]/MOCHICA | 採用規模に応じた個別見積もり | 要問い合わせ |
注目したいのは、無料プランの上限がちょうど30名前後に設定されている点です。ジョブカン採用管理とHERP Hireはいずれも30名、Talentioは50名が無料の上限で、月30名の応募であれば3製品とも無料枠に収まります。この人数帯では、金額よりも「求人媒体の自動連携が要るか」「データ保持30日で足りるか」が実質の判断軸になります。
月間候補者数50名の月額費用
月間候補者数50名では、無料枠に収まる製品が1つに絞られ、有料プランは月額8,500〜50,000円が目安になります。
| 製品 | プラン | 月額(候補者50名) |
|---|---|---|
| Talentio | FREE(月50名まで) | 0円 |
| ジョブカン採用管理 | LITEプラン(〜50名) | 8,500円 |
| 採用係長 | ライトプラン(1年契約・公開求人3件まで) | 9,800円 |
| 採用係長 | スタンダードプラン(1年契約・公開求人10件まで) | 19,800円 |
| sonar ATS | 基本プラン(税込) | 22,000円〜 |
| Talentio | STANDARD(月200名まで・年間契約20,000円) | 25,000円 |
| ジョブカン採用管理 | STANDARDプラン(〜150名・媒体自動連携あり) | 30,000円〜 |
| JobSuite CAREER | 月額プラン(税抜) | 50,000円〜 |
| HRMOS採用/HERP Hire(有料)/i-web/One人事[採用]/MOCHICA | 採用規模に応じた個別見積もり | 要問い合わせ |
ジョブカン採用管理は同じ製品内でLITEとSTANDARDの差が月額8,500円と30,000円、およそ3.5倍になります。差分は求人媒体との自動連携機能の有無です。年間で25.8万円の差になるため、媒体からの応募を手入力する工数と、その25.8万円を天秤にかけるという比べ方が実務的です。
月間候補者数200名の月額費用
月間候補者数200名では、上限のあるプランが外れ始め、月額25,000〜60,000円が中心帯になります。
| 製品 | プラン | 月額(候補者200名) |
|---|---|---|
| Talentio | STANDARD(月200名まで・年間契約20,000円) | 25,000円 |
| 採用係長 | プロプラン(1年契約) | 29,800円 |
| JobSuite CAREER | 月額プラン(税抜) | 50,000円〜 |
| 採用係長 | エンタープライズプラン(1年契約・公開求人500件まで) | 59,800円 |
| Talentio | PLUS(応募者管理無制限・API・媒体連携) | 60,000円 |
| sonar ATS | 基本プラン(登録応募者数と利用期間でプランが変動) | 22,000円〜(要確認) |
| ジョブカン採用管理 | STANDARDプランの公開値は〜150名 | 要問い合わせ |
| HRMOS採用(Enterprise)/HERP Hire/i-web/One人事[採用]/MOCHICA | 大規模採用向けの個別見積もり | 要問い合わせ |
Talentioは月200名まで25,000円のSTANDARDと、応募者管理無制限のPLUS 60,000円で2.4倍の差がありますが、PLUSにはAPI連携と媒体連携が含まれます。上限ぎりぎりのプランで運用するか、無制限プランに上げて上限管理そのものをなくすかという選択になります。新卒採用のようにエントリーが特定の月に集中する企業では、ピーク月を基準にプランを選んでおくほうが運用は安定します。
規模別シミュレーションから読み取れる3つの傾向
3パターンの試算からは、次の3点が読み取れます。
- 月間候補者30〜50名までは0円で運用できる余地がある — 掲載10製品のうち3製品が期限のない無料プランを持ち、上限は30〜50名です。年間採用人数が数名の企業では、まず無料プランで運用を確かめる進め方が取れます
- 課金の分母が2種類あるため、比較には2つの数字が要る — 候補者数で課金する製品と求人件数で課金する製品が混在します。月間の応募者数と、同時に公開する求人件数の両方を数えてから見積もりを依頼すると、条件のそろった数字が集まります
- 候補者数が増えても月額は跳ねにくい — 候補者200名でも公開値の中心帯は月額25,000〜60,000円です。従業員1人あたりで課金される勤怠管理や給与計算と異なり、社員数が増えてもライセンス費用が増えない構造のため、規模拡大に対する費用の伸びは緩やかになります
見落としやすい追加費用と契約条件
見積もり段階で見落としやすいのは、契約期間・データ保持期間・媒体連携の可否・オプション機能・初期設定の作業費の5点です。月額だけを比較すると、実際の使い勝手と金額が釣り合わなくなる原因になります。
契約期間によって月額が変わる
採用係長が公式サイトで公開している月額9,800円・19,800円・29,800円・59,800円は、いずれも1年契約時の金額です。6か月契約を選ぶと月額は割高になると案内されています。Talentioも、STANDARDプランは月額25,000円に対し年間契約で20,000円と、年間契約に5,000円の差を設けています。
年間契約は月額換算では有利になりやすい反面、採用計画が変わって運用を止めたくなった場合に途中で止めにくくなります。採用が通年か、特定シーズンに集中するかを先に整理しておくと、契約期間の選択で迷いにくくなります。
無料プランのデータ保持期間
ジョブカン採用管理の無料プランは、候補者登録上限30名/月に加えて、データ保持が30日と公式サイトに記載されています。書類選考から内定までに1か月以上かかる職種では、過去の候補者情報を後から参照できなくなります。
タレントプール(不採用となった候補者を将来の募集に向けて蓄積する仕組み)として使いたい場合、データ保持期間は有料プランへ移る判断の材料になります。無料プランの比較では、人数の上限と同じくらい保持期間を確認しておきたいところです。
求人媒体の自動連携がプランで分かれる
求人媒体からの応募を自動で取り込む機能は、上位プランの機能とされている製品があります。ジョブカン採用管理はLITEプランに求人媒体の自動連携がなく、STANDARDプランで利用できると案内しています。HERP Hireのフリープランも、求人媒体からの応募情報の自動連携などに制限があるとしています。TalentioはPLUSプランでAPI・媒体連携に対応します。
利用している媒体が3つ以上ある企業では、手入力に戻る工数が月あたり数時間から十数時間規模になり得ます。自社が使う媒体名を挙げて、そのプランで自動連携できるかを個別に確認しておくと、導入後の落差を防げます。
オプション機能と初期設定・カスタマイズの費用
sonar ATSは採用AI・LINE連携・適性検査などをオプションとして追加でき、JobSuite CAREERは運用に合わせた仕様変更(カスタマイズ)に対応します。いずれも金額は公式サイトに記載がないため、要問い合わせです。
初期費用を要問い合わせとしている5製品(HERP Hire、i-web、One人事[採用]、JobSuite CAREER、MOCHICA)については、選考フローの初期構築、既存の候補者データの移行、求人媒体との接続設定が有償か無償かを見積もり時に確認しておきましょう。MOCHICAは問い合わせ後に無料のデモ画面が提供され、ヒアリングを経てプランを決める流れが公式サイトで案内されています。
採用管理システムの費用を抑える5つの視点
費用を抑える手立ては、課金の分母を数える・無料プランで運用を確かめる・契約期間を選ぶ・媒体連携の要否を判断する・採用活動全体の費用で比べるの5つに整理できます。
1. 月間の候補者数と公開求人件数を先に数える
見積もりを依頼する前に、直近12か月の月別応募者数と、同時に公開している求人の件数を出しておきます。候補者数で課金する製品と求人件数で課金する製品が混在するため、この2つの数字がないと各社の提示額を横並びにできません。
月別に並べると、多くの企業でピーク月と閑散月に2〜3倍の差が出ます。平均値でプランを選ぶと上限超過が起きやすいため、ピーク月を基準にプランを選び、閑散月の余裕は許容するという考え方が運用を安定させます。
2. 無料プランで運用を確かめてから有料化する
ジョブカン採用管理(月間候補者30名まで)、HERP Hire(月間応募30名以下)、Talentio(月50名まで)は、期限を設けない無料プランを提供しています。採用係長も公開求人3件までのトライアルプランを0円で用意しています。MOCHICAは問い合わせ後に無料のデモ画面を確認できます。
1つの募集を最初から最後まで無料プランで回してみると、候補者との連絡、面接の日程調整、社内での評価共有が想定どおりに動くかを金額を払わずに確かめられます。そのうえで、詰まった箇所(媒体連携か、データ保持期間か、人数上限か)を根拠に有料プランを選ぶと、必要以上に上位のプランを契約せずに済みます。
3. 年間契約の割引と縛りを見比べる
Talentioは年間契約でSTANDARDプランが月額25,000円から20,000円になり、年間60,000円の差が生まれます。採用係長は1年契約の金額を公開しており、6か月契約は割高になると案内しています。
割引幅が大きい一方、採用計画は事業計画の変更に連動して動きます。初年度は短い契約で様子を見て、運用が定着してから年間契約へ切り替えるという順序も選択肢に入れておくと、無駄な支払いを避けやすくなります。
4. 求人媒体の自動連携が本当に必要かを判断する
ジョブカン採用管理では、媒体自動連携のないLITEプラン(〜50名で8,500円)と、ありのSTANDARDプラン(〜150名で30,000円)で年間25.8万円の差になります。利用している媒体が1〜2つで、応募通知のメールを手作業で登録しても月に1時間程度しかかからないのであれば、下位プランのままでも運用は回ります。
判断の材料は、媒体数・月間応募数・登録にかかる1件あたりの時間の3つです。月間の手作業時間を人件費に換算し、プラン差額と比べると、感覚ではなく数字で決められます。
5. 求人媒体費・人材紹介手数料まで含めた総額で比べる
採用管理システムの月額は、採用活動全体の費用のなかでは小さな比率にとどまります。求人媒体の掲載料や人材紹介の成功報酬と比べれば、月額数万円の差は選考スピードや歩留まりの改善で吸収できる可能性があります。
採用係長は自社採用ページの作成とIndeedなどの求人検索エンジン連携を1つのサービスで扱う構成で、媒体掲載費の一部を置き換える設計です。One人事[採用]は入社後の労務・給与管理まで同じシリーズで連携できます。いま別々に払っている採用関連サービスの費用を並べ、統合した場合の総額と比べると、システム単体の月額では見えない差が出てきます。
採用管理システムの費用に関するよくある質問
Q. 採用活動をしていない月も同じ料金がかかりますか
多くの製品では、契約している以上は募集の有無にかかわらず月額が発生します。掲載製品のうち、採用係長は1年契約を前提とした月額を公開しており、Talentioも年間契約に割引を設けています。募集が特定の時期に集中する企業では、通年で契約する費用と、繁忙期だけ上位プランに切り替える運用のどちらが合うかを見積もり時に相談してみてください。無料プランを持つ製品であれば、募集していない期間を無料プランで維持し、募集開始に合わせて有料化するという運用も検討できます。
Q. 「月額22,000円〜」のように「〜」が付いた金額は、何によって変わりますか
登録できる候補者数、利用期間、利用する機能の範囲によって変わります。sonar ATSは月額22,000円(税込)からで、登録応募者数と利用期間に応じてプランが設定されると公式サイトに記載しています。ジョブカン採用管理のSTANDARDプラン30,000円〜も、〜150名の場合の金額として案内されているものです。JobSuite CAREERの月額50,000円(税抜)〜も、利用範囲に応じた個別見積もりが前提です。「〜」が付いた金額は下限を示すものと考え、自社の候補者数・求人件数・必要機能を伝えたうえで見積もりを取る進め方が現実的です。
Q. 買い切り型(パッケージ型)の採用管理システムはありますか
SmartSpaceに掲載している10製品は、すべてクラウド型で月額または年額での課金です。ソフトウェアを買い取って自社サーバーに設置する買い切り型の製品は含まれていません。採用管理は求人媒体との連携や法令・媒体仕様の変更への追随が前提になる領域のため、継続的な更新が行われるクラウド型が主流になっていると考えられます。買い切り型を要件とする場合は、掲載製品以外の選択肢を別途探す必要があります。
Q. 見積もりを取るとき、月額以外に確認すべき項目はありますか
確認しておきたい項目は主に6つあります。
- 課金の分母(候補者数か求人件数か利用範囲か)と、その数え方
- プランごとの候補者数・求人件数の上限と、超過したときの扱い
- 契約期間(年間契約か月更新か)と、途中解約時の条件
- 求人媒体の自動連携が対象プランに含まれるか
- 候補者データの保持期間と、解約後のデータの取り扱い
- 選考フローの初期構築・データ移行・カスタマイズが有償か無償か
同じ条件をそろえて複数社に提示すると、比較可能な見積もりがそろいます。
まとめ|採用管理システムの費用相場と次の一歩
掲載10製品の公開料金から見た採用管理システムの費用相場は、初期費用0円、月額は無料プランから60,000円までという幅の広いものでした。月間候補者数30名なら0〜50,000円、50名なら0〜50,000円、200名なら25,000〜60,000円が目安です。金額を公開しているのは10製品中5製品で、残る5製品は採用規模に応じた個別見積もりとなります。
費用を正しく見積もるうえで重要なのは、月額そのものより「課金の分母は候補者数か求人件数か」「無料プランの上限とデータ保持期間はどこか」「求人媒体の自動連携が対象プランに入っているか」の3点です。まずは直近12か月の月別応募者数と公開求人件数を数え、そのうえで無料プランを持つ製品で1つの募集を回してみる進め方をおすすめします。
製品ごとの機能・媒体連携・新卒/中途への対応まで含めて比較したい場合は、採用管理システムのおすすめ8選を比較【2026年版】料金・機能・選び方をご覧ください。各サービスの資料をまとめて請求したい場合は、採用管理システムのサービス一覧から一括でダウンロードできます。
記載した料金は2026年8月時点の各社公式サイトの公開情報に基づく参考値です。プラン内容・価格は変更される場合があるため、最新情報は各社公式サイトでご確認ください。