健康管理システムの値段を調べても、具体的な金額がなかなか出てきません。これは調べ方の問題ではなく、ベンダー側が料金を公開していないことが多いためです。SmartSpaceに掲載している健康管理システム10製品を確認したところ、料金を公開しているのは3製品のみで、残る7製品は見積もり対応でした。
この記事では、公開されている3製品の実際の金額を示したうえで、従業員100名・300名での年額を試算します。あわせて、なぜ相場が出てこないのか、見積もりを取るときに何を伝えれば金額が固まるのかを整理します。
本記事に記載した料金は2026年8月時点の各社公式サイトの公開情報に基づく参考値です。実際の金額は従業員数・利用機能・契約形態により異なります。最新情報は各社公式サイトでご確認ください。
掲載10製品のうち、料金を公開しているのは3製品
まず実態を示します。掲載している健康管理システム10製品の料金公開状況は次のとおりです。
| 製品 | 提供会社 | 初期費用 | 月額 |
|---|---|---|---|
| Carely | 株式会社iCARE | 1,000円/ID | 100円/人〜 |
| first call | 株式会社Mediplat | 0円 | 500円〜 |
| WellGo | 株式会社WellGo | 1,500,000円 | 150,000円〜 |
| mediment | 株式会社mediment | 要見積もり | 要見積もり |
| Kencom | DeSCヘルスケア株式会社 | 要見積もり | 要見積もり |
| Pep Up | 株式会社JMDC | 要見積もり | 要見積もり |
| カロママ プラス | 株式会社Wellmira | 要見積もり | 要見積もり |
| SOMPOヘルスサポート | SOMPOヘルスサポート株式会社 | 要見積もり | 要見積もり |
| Reloかんたん健診管理 | 株式会社リロクラブ | 要見積もり | 要見積もり |
| ピースマインド(ストレスチェックサービス) | ピースマインド株式会社 | 要見積もり | 要見積もり |
公開している3製品の金額は、月額100円/人から150,000円まで開いています。この開きは製品の優劣ではなく、想定している導入規模と業務範囲の違いです。したがって、この3社の数字を平均して「相場」とすることには意味がありません。
従業員100名・300名での年額試算
人数単価を明示しているCarelyの公開料金をもとに、初年度の費用を計算しました。初期費用は1IDあたり1,000円のため、従業員数に比例します。
| 従業員数 | 初期費用 | 月額 | 年額(月額×12) | 初年度合計 |
|---|---|---|---|---|
| 100名 | 100,000円 | 10,000円 | 120,000円 | 220,000円 |
| 300名 | 300,000円 | 30,000円 | 360,000円 | 660,000円 |
| 1,000名 | 1,000,000円 | 100,000円 | 1,200,000円 | 2,200,000円 |
※ 公開されている最小単価(初期1,000円/ID、月額100円/人)で計算した参考値です。利用する機能により単価は変わります。
一方WellGoは、初期1,500,000円+月額150,000円〜のため、初年度は3,300,000円からとなります。従業員100名でCarelyを使う場合の約15倍です。first callは初期0円・月額500円〜ですが、この金額が1人あたりなのか1社あたりなのかは公開情報からは確定できないため、試算には使いませんでした。
金額が15倍開く理由
健康管理システムと呼ばれる製品は、実際には次の3つの領域に分かれます。どこまでを1つの製品で担うかによって、金額は桁が変わります。
| 領域 | やること | 費用感 |
|---|---|---|
| 健診・ストレスチェックの管理 | 受診状況の把握、結果データの保管、就業判定の記録、労基署への報告書作成 | 人数単価型が中心。従業員数に比例 |
| 産業医・保健師の面談運営 | 面談の予約、記録、長時間労働者の抽出と勧奨 | 上記に加算、または専門職の稼働費が別建て |
| 健康増進の施策運営 | アプリでの行動記録、イベント、インセンティブ設計、健康経営の認定取得支援 | 定額型が中心。運用支援の人件費を含むため高額になりやすい |
1つ目だけが目的なら人数単価型で足り、3つ目まで含めると定額型の上位製品になります。金額を比較する前に、自社がどの領域を解きたいのかを決めることが、見積もりを比較可能にする前提です。
なぜ7製品は料金を公開していないのか
非公開の理由は各社の方針であり断定はできませんが、この領域の製品構成から、次の3つが考えられます。
1. 従業員数だけでは金額が決まらない
健診データの取り込みは、契約している健診機関の数と、データの受け渡し形式によって作業量が変わります。健保組合との連携が必要かどうかでも構成が変わるため、人数だけでは見積もりが出せません。
2. 専門職の稼働が含まれる場合がある
産業医や保健師の面談運営まで含む製品では、対象人数だけでなく、月あたりの面談件数や実施形態(オンライン/訪問)で費用が変わります。ソフトウェアの利用料と人的サービスの費用が混ざるため、定価を出しにくい構造です。
3. 既存の運用に合わせた初期設定が必要
健診項目の設定、就業判定の基準、事業場ごとの管理体制の反映など、導入時の設定作業が企業ごとに異なります。この初期設定の工数が初期費用に反映されるため、金額に幅が出ます。
見積もりを比較可能にするために伝える5項目
料金が非公開の製品から見積もりを取るとき、次の5点をそろえて伝えると、各社の金額を横並びで比べられる形になります。逆にこれを伝えずに依頼すると、各社が異なる前提で見積もるため比較になりません。
| 伝える項目 | 金額に効く理由 |
|---|---|
| 対象従業員数と事業場数 | 単価の段階、事業場ごとの管理設定の要否が決まる |
| 実施したい業務の範囲 | 健診管理のみか、ストレスチェック・面談運営・健康増進まで含むか |
| 健診機関の数とデータの受け取り形式 | データ取り込みの初期設定工数に直結する |
| 産業医・保健師の契約有無 | 専門職の稼働を含めるか、既存の契約に接続するかで構成が変わる |
| 既存システムとの連携要件 | 人事システムから従業員情報を取り込むかどうか |
年額ではなく初年度と次年度の両方で比べる
健康管理システムは初期費用の比重が大きい製品があります。Carelyは初期1,000円/ID、WellGoは初期1,500,000円で、いずれも初年度の負担が次年度以降と大きく異なります。見積もりを受け取ったら、初年度合計と2年目以降の年額を分けて並べると、3年程度の期間で見たときの順位が変わることがあります。
料金を公開している健康管理システム
金額の目安を先に把握したい場合、料金を公開している製品から確認すると検討を進めやすくなります。
Carely
★★★★★★★★★★- 初期費用
- 1,000円/ID
- 月額費用
- 100円/人〜
- 無料トライアル
- 要問い合わせ
- 最短導入
- 要問い合わせ
- 健康診断・ストレスチェック・長時間労働管理を一元化
- 紙の書類が不要になりペーパーレス化を実現
- 産業医紹介サービスとの連携オプションを用意
first call
★★★★★★★★★★- 初期費用
- 0円
- 月額費用
- 500円〜
- 無料トライアル
- あり(初月無料)
- 最短導入
- 要問い合わせ
- 12万人の医師ネットワークから産業医を紹介
- チャット・テレビ電話での医師への健康相談に対応
- 従業員数50名未満向けの専用プランを用意
WellGo
★★★★★★★★★★- 初期費用
- 1,500,000円
- 月額費用
- 150,000円〜
- 無料トライアル
- 要問い合わせ
- 最短導入
- 要問い合わせ
- 企業・健保組合・従業員全員が利用できるオールインワン設計
- 健診データと医療費データを掛け合わせた疾病予防施策
- ISMS・ISO/IEC 27017など金融機関同等のセキュリティ
健康管理システムの費用に関するよくある質問
Q. 健康管理システムの相場はいくらですか
掲載10製品のうち料金を公開しているのは3製品のみで、その金額も月額100円/人〜150,000円と大きく開いているため、収束した相場を示すことはできません。人数単価型の製品では、従業員100名で初年度220,000円程度が目安になります(初期1,000円/ID・月額100円/人で計算)。健康増進施策の運営まで含む定額型の製品では、初年度300万円台になる例もあります。
Q. なぜ多くの製品が料金を公開していないのですか
従業員数だけで金額が決まらないためです。健診機関の数やデータの受け渡し形式、産業医・保健師の稼働を含むかどうか、既存の運用に合わせた初期設定の工数といった要素で構成が変わります。人的サービスを含む製品では、ソフトウェア利用料と専門職の費用が混ざるため、定価が出しにくい構造になっています。
Q. 従業員50名未満でも導入する意味はありますか
ストレスチェックの実施義務は常時50人以上の労働者を使用する事業場に課されているため、50名未満の事業場では義務としての実施は求められていません。ただし健診結果の保管と就業判定の記録は規模を問わず必要になるため、紙の管理に負担を感じているなら人数単価型の製品が選択肢になります。詳細な要件は厚生労働省の公表資料でご確認ください。
Q. 見積もりは何社から取るべきですか
3社程度が現実的です。ただし社数より、各社に同じ条件を伝えることのほうが重要です。対象人数・業務範囲・健診機関の数・産業医契約の有無・既存システム連携の5点をそろえて依頼すれば、金額の差が製品構成の差として読み取れるようになります。条件がそろっていない見積もりを並べても、安い高いの判断はできません。
まとめ|相場を探すより、条件をそろえて見積もる
健康管理システムの費用は、掲載10製品のうち3製品しか公開しておらず、その金額も月額100円/人〜150,000円と15倍以上の開きがあります。この開きは、健診管理だけを行う製品と、健康増進施策の運営まで担う製品が同じ名前で呼ばれていることに由来します。
そのため、相場を探すよりも自社が解きたい領域を決め、同じ条件で複数社に見積もりを依頼するほうが早く適正な金額にたどり着けます。人数単価型なら従業員100名で初年度20万円台からが目安です。
製品ごとの機能を横並びで比較したい場合は健康管理システムのおすすめを徹底比較を、基本的な仕組みから確認したい場合は健康管理システムとは?機能とメリットをご覧ください。各社の資料をまとめて請求したい場合は健康管理システムのサービス一覧から確認できます。
記載した料金は2026年8月時点の各社公式サイトの公開情報に基づく参考値です。試算は公開されている最小単価を単純に人数倍したもので、利用機能・契約形態により実際の請求額は異なります。法令に関する記述は厚生労働省の公表資料に基づいていますが、個別の対応可否については専門家にご確認ください。