電子契約サービスの費用は、「月額3,000円から」といった表示だけでは自社の負担額を見積もれません。多くのサービスが月額基本料金に加えて送信1件ごとの従量課金を設けており、月間の契約件数によって支払総額が数倍変わるためです。
この記事では、SmartSpaceに掲載している電子契約サービス10製品の公開料金をもとに、費用の内訳・料金体系の4タイプ・月間契約件数別のシミュレーション・見落としがちな追加費用・コストを抑える視点を整理します。金額はすべて2026年8月時点の各社公式サイトの表記に基づく参考値です。
電子契約サービスの費用の内訳
電子契約サービスの費用は、初期費用・月額基本料金・送信ごとの従量課金・オプション費用の4つに分かれます。総額を左右するのは、月額基本料金と従量課金の組み合わせです。
初期費用は0円が主流
初期費用は0円のサービスが大半です。2026年8月時点で調査した10製品のうち、9製品が初期費用0円と公式サイトに明記しており、残る1製品(Docusign)は要見積もりでした。
月額基本料金は1,000円台〜50,000円に分布
有料プランの月額基本料金は、エントリープランで1,333円〜11,000円程度、上位プランで24,000円〜50,000円程度です。
| 価格帯 | 該当するプラン例(2026年8月時点) |
|---|---|
| 月額1,000円台〜5,000円台 | Docusign Personal(年間一括払い 月額1,333円〜)、freeeサイン Starter(月額5,980円〜/年額71,760円) |
| 月額6,000円台〜11,000円 | 契約大臣 ベーシックプラン(月額6,600円・税込)、電子印鑑GMOサイン ライト(年間契約 月額8,800円〜)、BtoBプラットフォーム 契約書 シルバープラン(月額10,000円+従量)、クラウドサイン Light(月額11,000円+従量) |
| 月額18,000円〜50,000円 | リーテックスデジタル契約 TOTAL 600(月額18,000円)、電子印鑑GMOサイン スタンダード(年間契約 月額24,000円〜)、クラウドサイン Corporate(月額28,000円+従量)、freeeサイン Standard(月額29,800円〜)、BtoBプラットフォーム 契約書 ゴールドプラン(月額30,000円)、リーテックスデジタル契約 TOTAL 3000(月額50,000円) |
上位プランで増えるのは、承認ワークフロー、シングルサインオン(SSO:一度のログインで複数システムを使える仕組み)、細かなアクセス権限設定といった組織運用向けの機能です。件数が少なくても内部統制の要件でこれらが必要なら、エントリープランでは足りません。
送信ごとの従量課金は1件50円〜440円
送信従量課金を採用するサービスでは、1件あたり50円〜440円(税込表記を含む)が公開されています。
| サービス | 送信1件あたりの料金(2026年8月時点) |
|---|---|
| BtoBプラットフォーム 契約書 | 50円/件(シルバープラン) |
| 電子印鑑GMOサイン | 立会人型100円/件、当事者型300円/件 |
| WAN-Sign | 認印版100円/件、実印版300円/件 |
| クラウドサイン | 220円/件(Light・Corporate共通) |
| ベクターサイン | 400円/通(税込440円・基本サービス) |
単価は数百円でも、月200件を単価220円で送信すれば月44,000円です。件数が多い企業ほど、月額基本料金より従量単価が効いてきます。
オプション・サポート費用は要見積もりが中心
オプション費用を金額で公開しているサービスは限られます。10製品のなかで具体的な金額を確認できたのは、WAN-Signの管理データ費用(5,000件ごとに月10,000円)だけでした。導入支援やデータ移行代行は多くが要見積もりのため、月額に含まれる範囲と別料金の範囲を見積もり段階で切り分けておくと、稟議後の追加請求を避けられます。
※料金は2026年8月時点の調査に基づく参考値です。最新情報は各社公式サイトでご確認ください。
電子契約サービスの料金体系4タイプ
料金体系は、月額固定+送信従量型・送信件数込みの定額型・基本料0円の完全従量型・ユーザー数課金型の4タイプに整理できます。月間契約件数と利用者数のどちらが多いかで、有利なタイプが変わります。
月額固定+送信従量型
月額基本料金を払ったうえで、送信1件ごとに料金が加算される方式です。クラウドサイン、電子印鑑GMOサイン、BtoBプラットフォーム 契約書(シルバープラン)が該当します。件数が少ない月は支払いを抑えられる一方、件数が増えると上限なく増えていきます。
クラウドサイン
★★★★★★★★★★- 初期費用
- 0円
- 月額費用
- 11,000円〜
- 無料トライアル
- あり(30日間、無料プランも有)
- 最短導入
- 要問い合わせ
- 国内シェアNo.1の立会人型で相手方の登録が不要
- 電子帳簿保存法対応・タイムスタンプで改ざん防止
- Salesforce・kintoneなど外部サービスとのAPI連携が豊富
送信件数込みの定額型
月額料金に一定の送信件数枠が含まれる方式です。freeeサイン(Starter:50通/月、Standard:100通/月)、契約大臣(ベーシックプラン:50件/月)、BtoBプラットフォーム 契約書(ゴールドプラン:100件込み、101件目以降50円/件)、ベクターサインの定額プラン、リーテックスデジタル契約のTOTALシリーズが該当します。支払額が読めるため予算化しやすい反面、枠を超えた場合の単価が公開されていないケースもあります。
基本料0円の完全従量型
月額基本料金がなく、送信した通数分だけを支払う方式です。ベクターサインの基本サービス(基本料0円+400円/通、税込440円)と、WAN-Signの従量課金(認印版100円/件、実印版300円/件)が該当します。件数が月に数件しか発生しない企業や、繁忙期と閑散期の差が大きい企業に向いた体系です。
ユーザー数課金型
送信件数ではなく利用者数に応じて課金する方式です。Docusign(Standard:ユーザーあたり年間一括払い月額3,300円〜)が該当します。件数ではなく人数で決まるため、送信件数が多く担当者が限られる企業ではコストが読みやすくなります。マネーフォワード クラウド契約も利用者数に応じた基本料金制ですが、金額は公式サイトで公開されていません。
マネーフォワード クラウド契約
★★★★★★★★★★- 初期費用
- 0円
- 月額費用
- 要見積もり
- 無料トライアル
- あり
- 最短導入
- 要問い合わせ
- 会計・請求などマネーフォワードのバックオフィス群と連携
- 契約書の送信・保管件数による課金や上限がない
- AIで契約書情報を自動抽出し締結後の管理も効率化
無料プランの有無と条件
10製品のうち8製品が無料プランまたは無料枠を公開しています。
| サービス | 無料で使える範囲(2026年8月時点) |
|---|---|
| クラウドサイン | Free:1ユーザー・月2件まで送信 |
| 電子印鑑GMOサイン | お試しフリープラン:月5件まで立会人型の署名依頼 |
| freeeサイン | 無料プラン:月1通まで送信、PDFテンプレート3つまで |
| BtoBプラットフォーム 契約書 | フリープラン:ユーザー無制限、電子契約 月5件・自社保管 月3件まで |
| WAN-Sign | 無料プラン:ユーザー無制限、実印版 締結月3件・認印版 送信月10件・管理累計10件まで |
| 契約大臣 | フリープラン:累計2件まで送信、ユーザー数1名 |
| リーテックスデジタル契約 | ENTRY:受信のみ・ユーザー5名まで無料 |
| ベクターサイン | 基本サービスが基本料0円(無料プランの記載なし) |
| マネーフォワード クラウド契約/Docusign | 無料トライアルあり(Docusignは30日間) |
月間契約件数別の費用シミュレーション
電子契約サービスの費用は、月間の契約締結件数を決めてから試算すると比較しやすくなります。月10件・月50件・月200件の3パターンで、公開料金から算出した月額の目安を示します。
月10件(小規模・部分導入)の費用目安
月10件の場合、月額0円〜13,200円程度が目安です。
| サービス | 使用プラン | 月額の目安 | 内訳 |
|---|---|---|---|
| WAN-Sign | 無料プラン | 0円 | 認印版の送信は月10件まで無料(管理は累計10件まで) |
| マネーフォワード クラウド契約 | スモールビジネスプラン | 要見積もり | 送信・保管料は0円と公式に記載。基本料金は非公開 |
| ベクターサイン | 基本サービス | 4,400円(税込) | 基本料0円+440円×10通 |
| freeeサイン | Starter | 5,980円〜 | 電子サイン50通/月の無料枠内 |
| 契約大臣 | ベーシックプラン | 6,600円(税込) | 送信50件/月の枠内 |
| 電子印鑑GMOサイン | ライト | 9,800円〜 | 月額8,800円+立会人型100円×10件 |
| BtoBプラットフォーム 契約書 | シルバープラン | 10,500円 | 月額10,000円+50円×10件 |
| クラウドサイン | Light | 13,200円 | 月額11,000円+220円×10件 |
月10件の段階では、月額基本料金の差がそのまま総額の差になります。基本料0円の完全従量型か無料枠の広いサービスで実件数を測ってから、本契約に進むのが現実的です。
月50件(中規模・全社導入初期)の費用目安
月50件の場合、月額約5,000円〜22,000円が目安です。送信枠が50通前後のプランがちょうど収まる水準にあたります。
| サービス | 使用プラン | 月額の目安 | 内訳 |
|---|---|---|---|
| マネーフォワード クラウド契約 | ビジネスプラン | 要見積もり | 送信・保管料は0円と公式に記載。基本料金は非公開 |
| WAN-Sign | 従量課金 | 5,000円〜 | 認印版100円×50件(管理データ費は別途) |
| freeeサイン | Starter | 5,980円〜 | 電子サイン50通/月の無料枠ちょうど |
| 契約大臣 | ベーシックプラン | 6,600円(税込) | 送信50件/月の上限ちょうど |
| BtoBプラットフォーム 契約書 | シルバープラン | 12,500円 | 月額10,000円+50円×50件 |
| ベクターサイン | プラン100 | 13,200円(税込) | 月間100通まで(基本サービス換算なら22,000円) |
| 電子印鑑GMOサイン | ライト | 13,800円〜 | 月額8,800円+立会人型100円×50件 |
| リーテックスデジタル契約 | TOTAL 600 | 18,000円 | 定額プラン(件数上限は要見積もり) |
| クラウドサイン | Light | 22,000円 | 月額11,000円+220円×50件 |
月50件では、完全従量型と定額型の総額が逆転し始めます。ベクターサインは基本サービス(440円/通)なら22,000円ですが、月間100通のプラン100(税込13,200円)を選べば同じ50通でも支払額が下がります。同一サービス内でもプランの選び方で差が出る点にご注意ください。
月200件(大規模・契約業務の中心が電子)の費用目安
月200件の場合、月額約5,000円〜88,000円と、サービスによる差が最も大きくなります。
| サービス | 使用プラン | 月額の目安 | 内訳 |
|---|---|---|---|
| マネーフォワード クラウド契約 | ビジネスプラン | 要見積もり | 送信・保管料は0円と公式に記載。基本料金は非公開 |
| WAN-Sign | 従量課金 | 20,000円〜 | 認印版100円×200件+管理データ5,000件ごとに月10,000円 |
| 電子印鑑GMOサイン | ライト | 28,800円〜 | 月額8,800円+立会人型100円×200件 |
| BtoBプラットフォーム 契約書 | ゴールドプラン | 35,000円 | 月額30,000円(100件込み)+50円×101件目以降100件 |
| クラウドサイン | Light | 55,000円 | 月額11,000円+220円×200件 |
| ベクターサイン | 基本サービス | 88,000円(税込) | 440円×200通 |
| 契約大臣/freeeサイン | — | 要見積もり | 公開プランの送信枠(50件・100通/月)を上回るため |
件数が増えるほど、送信単価の低いサービスと件数上限のないサービスが有利になります。クラウドサインで承認権限やSSOが必要な場合はCorporate(月額28,000円+220円/件)となり、月200件では72,000円が目安です。
試算の前提と読み方
上記の試算は、署名方式を立会人型(メール認証・認印版)に統一し、税表記は各社の公式表記のまま、年間契約が前提のプランは年間契約時の月額換算で算出しています。オプション費用と導入支援費用は含みません。当事者型(実印タイプ)を使う場合、送信単価は300円/件に上がります。
自社で試算する際は「月間送信件数 × 送信単価 + 月額基本料金」で計算し、保管件数の増加分と当事者型を使う契約の比率を上乗せしてください。
※上記は2026年8月時点の公開料金をもとにした参考値です。実際の契約条件は見積もりでご確認ください。
見落としがちな追加費用と契約条件
想定より費用がかさむ原因は、署名方式の違い・保管件数の増加・年間契約の縛り・税表記の差に集約されます。
当事者型(実印タイプ)は送信単価が上がる
当事者型は、電子証明書を用いて署名者本人を確認する方式で、立会人型(メール認証)より単価が高く設定されています。電子印鑑GMOサインは立会人型100円/件に対し当事者型300円/件、WAN-Signは認印版100円/件に対し実印版300円/件と公表しています。すべてを当事者型で締結すると送信コストは3倍になるため、取引金額や紛争リスクの高い契約に絞る運用が現実的です。
電子署名法第3条の推定効については、総務省・法務省・経済産業省がQ&A(電子署名法第3条関係、令和2年9月4日)で、事業者署名型でも一定の要件を満たせば同条に該当し得るとの考え方を示し、利用者の身元確認が重要な要素になるとしています。どの方式なら要件を満たせるかは契約内容ごとの判断となるため、重要な契約は法務部門や専門家にご確認ください。
文書の保管件数にかかる費用
締結後の契約書は蓄積されるため、保管件数の増加で費用が発生する場合があります。WAN-Signは管理データが5,000件ごとに月10,000円と公開する一方、マネーフォワード クラウド契約は保管料が0円と記載し、ベクターサインは文書保管数が無制限と記載しています。導入初年度ではなく3〜5年後の累計件数で見積もっておくと安全です。
年間契約が前提のプランと最低利用期間
年間契約を前提に割引価格を提示するサービスがあります。電子印鑑GMOサインのライト・スタンダードは年間契約時の月額、freeeサインのStarterは年額71,760円、リーテックスデジタル契約のTOTAL 600は年額216,000円です。年払いは割安になる一方、期間途中の解約や減額に制約が生じます。10製品のいずれも解約条件を金額で公開していないため、見積書または利用規約での確認が必要です。
税込表記と税抜表記が混在している
税表記はサービスごとに異なります。契約大臣は月額6,600円を税込、ベクターサインは400円(税込440円)と併記、その他の多くは税表記を明示していません。同じ「6,000円」でも税込か税抜かで実支払額が1割変わるため、比較表を作る際は表記をそろえてください。
電子帳簿保存法への対応にかかる運用コスト
電子契約で授受した契約書データは、電子帳簿保存法上の電子取引に該当します。国税庁の電子帳簿等保存制度特設サイトでは、電子取引データの保存にあたり改ざん防止の措置を取ること、日付・金額・取引先で検索できるようにすることが要件として示されています。多くのサービスはタイムスタンプや検索機能を備えていますが、導入すれば法令要件を満たせるとは限りません。事務処理規程の整備や他システムで受領したデータの保存方法とあわせた設計が必要で、その工数も費用として見込んでおくのが現実的です。
電子契約サービスの費用を抑える視点
コストは、無料枠の活用・署名方式の使い分け・年額割引・削減額との相殺・補助金の確認の5つの視点で見直せます。
無料プランで月間件数を測ってから有料化する
自社の月間契約件数を正確に把握している企業は多くありません。無料プランで1〜2か月運用して実件数を測ってから有料プランを選ぶと、過大な契約を避けられます。BtoBプラットフォーム 契約書のフリープラン(電子契約 月5件)やWAN-Signの無料プラン(認印版 送信月10件)は、ユーザー数の制限がないため社内展開のテストにも使えます。
BtoBプラットフォーム 契約書
★★★★★★★★★★- 初期費用
- 0円
- 月額費用
- 0円〜(無料プランあり)
- 無料トライアル
- あり
- 最短導入
- 要問い合わせ
- 取引先(相手企業)は無料で利用でき導入ハードルが低い
- 初期・月額0円のフリープラン(締結月5件・保管月3件)
- 80万社以上の導入実績と20年以上の運用実績
契約の重要度に応じて署名方式を使い分ける
送信単価が3倍違う当事者型と立会人型を、契約の重要度で使い分けるとコストを抑えられます。電子印鑑GMOサインとWAN-Signは両方式に対応しており、1つのサービス内で切り替えられます。「どの契約類型をどちらの方式で締結するか」を先に決めておくと、現場ごとの判断のばらつきも防げます。
年額プラン・年間コースの割引幅を確認する
年額払いで割引が適用されるサービスがあります。ベクターサインは月間5通1,200円(税込1,320円)のプラン5に対し、年間コースは60通で9,600円(税込10,560円)と公開しており、単純比較で2か月分程度割安になる計算です。件数が読めない段階では月払いで運用し、安定してから年額に切り替える判断もあります。
印紙税と郵送コストの削減分を差し引いて考える
費用は、紙の契約で発生していたコストとの差額で評価すると実態に近くなります。
印紙税について、国税庁の質疑応答事例「取引先にメール送信した電磁的記録に関する印紙税の取扱い」では、課税物件表に掲げられているのは文書であり電磁的記録は含まれないことから、取引情報を記録した電磁的記録を電子メールで送信した場合、その電磁的記録に印紙税は課税されないとされています。ただし同事例では、送信後に現物を別途持参するなどして相手方に交付した場合は、その現物が課税文書の作成に該当するとも示されています。
印紙税額は文書の種類と契約金額で決まり、継続的取引の基本となる契約書(第7号文書)は1通4,000円です(国税庁 タックスアンサー No.7104)。この類型を月10件締結していれば、年間48万円分の印紙税が発生していた計算になります。削減額は「印紙税額×年間件数」「印刷・封筒・郵送料(往復分)×年間件数」「製本・押印・封入・投函の作業時間×時間単価」の3項目で整理してください。自社の契約書がどの号の文書に当たるかは記載内容で変わるため、判断に迷う場合は税理士や所轄税務署にご確認ください。
デジタル化・AI導入補助金の対象かを確認する
中小企業・小規模事業者を対象とした「デジタル化・AI導入補助金2026」(2026年度からIT導入補助金の名称を変更)では、事務局に登録されたITツールの導入費用が補助対象になります。電子契約サービスが登録ツールに含まれるかはサービスごと・年度ごとに異なるため、事務局ポータルサイトと各社公式サイトで対象状況をご確認ください。
電子契約サービスの費用に関するよくある質問
Q. 送信料は送信側と受信側のどちらが負担しますか?
送信側(契約書を送る側)の負担が一般的です。受信側はメールで届いたURLから確認・署名するだけで料金が発生しない設計が主流で、BtoBプラットフォーム 契約書は取引先が無料で利用できる点を特徴として挙げています。取引先に費用負担を求めない前提で案内できるため、社外への説明ハードルは低くなります。
Q. 月によって契約件数が大きく変動する場合、どの料金体系が向いていますか?
基本料0円の完全従量型か、送信件数の上限がない定額型が候補です。完全従量型は件数の少ない月の支払いを抑えられ、上限のない定額型は繁忙期でも費用が跳ね上がりません。年間の総件数が読めるのであれば、年間コースを設けるサービスで総額を比較する方法もあります。
Q. 無料プランのままで契約業務を回せますか?
月数件までなら運用できますが、件数と管理機能の両面で制限があります。無料プランの送信上限は、クラウドサインが月2件、freeeサインが月1通、電子印鑑GMOサインとBtoBプラットフォーム 契約書が月5件、WAN-Signが認印版で月10件です。契約大臣のフリープランは累計2件までのため継続運用には向きません。承認ワークフローやアクセス権限設定は有料プランの機能であることが多く、締結権限者が複数いる組織では内部統制の面で課題も残ります。
Q. 契約書の保管や受信だけを目的に契約できますか?
保管・受信に絞った使い方に対応するサービスがあります。リーテックスデジタル契約のENTRYプランは受信のみ・ユーザー5名までを無料としており、ベクターサインは他サービスで締結した文書もアップロードしてまとめて保管できると記載しています。取引先が指定したサービスで締結し、自社では保管だけを行いたい場合は、受信・保管に対応するプランの有無をご確認ください。
まとめ
電子契約サービスの費用は、月額基本料金と送信従量課金の組み合わせで決まります。
- 初期費用は0円が主流。調査した10製品のうち9製品が0円と公表している
- 月額基本料金はエントリープランで1,333円〜11,000円程度、上位プランで24,000円〜50,000円程度
- 送信従量課金は1件50円〜440円。当事者型(実印タイプ)は300円/件と単価が上がる
- 料金体系は月額固定+送信従量型・件数込みの定額型・完全従量型・ユーザー数課金型の4タイプ
- 月10件なら0円〜13,200円、月50件なら約5,000円〜22,000円、月200件なら約5,000円〜88,000円が目安
- 保管件数の増加・年間契約の縛り・税表記の差が見落としやすい要因。印紙税と郵送費の削減分と相殺して費用対効果を判断する
自社の月間契約件数を決めてから各社の料金体系に当てはめると、比較の精度が上がります。署名方式・機能・料金を一覧で確認したい場合は電子契約サービスのおすすめ8選を比較【2026年版】料金・機能・選び方をご覧ください。掲載サービスの一覧と資料請求は電子契約サービスのカテゴリページからご利用いただけます。
社内規程や運用ルールの整備は電子契約の導入手順5ステップ、電子化できない契約類型は電子契約が使えない・不向きな契約書とはで解説しています。
本記事の調査方法と参照した一次情報
2026年8月に以下10製品の公式サイトを確認し、初期費用・月額料金・プラン構成・無料プランの条件を整理したうえで作成しています。
クラウドサイン(弁護士ドットコム)/電子印鑑GMOサイン(GMOグローバルサイン・ホールディングス)/freeeサイン(freee)/Docusign(ドキュサイン・ジャパン)/マネーフォワード クラウド契約(マネーフォワード)/BtoBプラットフォーム 契約書(インフォマート)/WAN-Sign(NXワンビシアーカイブズ)/契約大臣(TeraDox)/ベクターサイン(ベクターホールディングス)/リーテックスデジタル契約(リーテックス)
法令・税務に関する記述は以下の一次情報を参照しています。
- 国税庁 質疑応答事例「取引先にメール送信した電磁的記録に関する印紙税の取扱い」 https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/inshi/02/10.htm
- 国税庁 タックスアンサー No.7104「継続的取引の基本となる契約書」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7104.htm
- 国税庁「電子帳簿等保存制度特設サイト」 https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/tokusetsu/index.htm
- 法務省・総務省・経済産業省「利用者の指示に基づきサービス提供事業者自身の署名鍵により暗号化等を行う電子契約サービスに関するQ&A(電子署名法第3条関係)」(令和2年9月4日) https://www.moj.go.jp/content/001327658.pdf
- 中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局「デジタル化・AI導入補助金2026」 https://it-shien.smrj.go.jp/
料金・提供条件・法令の運用は変更される場合があります。契約前には各社の公式サイトおよび見積もりでご確認ください。個別の税務判断は税理士または所轄税務署にご相談ください。