ピアボーナスは社員同士が少額のポイントを送り合う仕組みで、まず無料で試したいという相談が多い領域です。ただしSmartSpaceに掲載しているピアボーナスツール10製品を確認したところ、0円で使い続けられるプランを公開している製品はありませんでした(2026年10月時点)。無料で試せるのは、期間限定の無料トライアルや無料デモにとどまります。
この記事では、10製品の無料の扱いを整理したうえで、ピアボーナスで無料プランが成立しにくい構造的な理由を説明します。ツール利用料とは別に発生する「ポイントの原資」についても触れます。無料で始める代替手段と、有料ツールに移る判断基準もあわせて示します。
本記事に記載した料金・無料の扱いは2026年10月時点の各社公式サイトの公開情報に基づく参考値です。プラン内容は変更されることがあります。最新情報は各社公式サイトでご確認ください。
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掲載10製品の無料の扱い
| 製品 | 提供会社 | 無料の扱い | 料金 |
|---|---|---|---|
| Colla | 株式会社トラックレコード | 無料プランなし(要問い合わせ) | 初期費用+月額25,000円(税抜)〜 |
| Agelu | 株式会社インターリンク | 月額料金1か月無料のトライアル | 初期0円/月額は利用ユーザー数により変動 |
| GRATICA | 株式会社オーケーウェブ | トライアル2週間 | 初期費用+月額3万円〜(最低利用料金) |
| RECOG | 株式会社アトラエ | 無料デモ | 要見積もり(初期費用+基本プラン+オプション) |
| Unipos | Unipos株式会社 | 要問い合わせ | 要見積もり(初年度のみ初期費用・導入支援費用) |
| TUNAG | 株式会社スタメン | 無料デモ | 要見積もり(利用人数・活用方法により変動) |
| THANKS GIFT | 株式会社Take Action | 要問い合わせ | 要見積もり(利用者数により変動) |
| Sushi Bonus | 株式会社Polycome | 無料デモ(初期費用は期間限定で無料) | 1アカウント月額385円(税込)、最低利用人数なし |
| UNITE by Yappli | 株式会社ヤプリ | 要問い合わせ | 要見積もり |
| PHONE APPLI THANKS | 株式会社PHONE APPLI | 要問い合わせ | 要見積もり(最低契約50IDから) |
ここから読み取れることは3つです。第一に、恒久的な無料プランを公開している製品はありません。以前は無償利用プランを案内していたCollaも、現在の料金ページは初期費用と月額25,000円(税抜)からの有料プランのみです。第二に、Ageluの1か月、GRATICAの2週間といった無料は導入前の試用であり、本番運用の受け皿にはなりません。第三に、金額を公開している製品はSushi Bonus・Colla・GRATICAの3製品にとどまります。
最低契約数が小規模導入の壁になる
PHONE APPLI THANKSは最低契約50IDから、Uniposは30アカウント以上の利用を推奨と明示しています。反対に、Sushi Bonusは最低利用人数がありません。この条件は無料かどうかとは別に、小規模での導入可否を左右します。10名の会社で試したい場合、50ID分の費用が発生するためです。無料プランの有無を調べる前に、最低契約数を確認するほうが、検討の空振りを減らせます。
ピアボーナスで無料プランが成立しにくい理由
グループウェアやチャットツールには無料プランが広く用意されているのに、ピアボーナスでは少ない。この差には理由があります。
1. ポイントの原資はツール利用料とは別にかかる
ピアボーナスは、社員が送り合ったポイントを最終的に金券・商品・給与などに換える設計が一般的です。この換金原資は企業が負担するもので、ツールが無料でも消えません。
たとえば1人あたり月500円分のポイントを配布する設計にすると、100名の会社で月50,000円、年間600,000円の原資が必要です。公開価格のあるSushi Bonus(1アカウント月額385円・税込)で計算すると、ツール利用料は年間462,000円で、原資のほうが大きくなります。つまり仮に無料のツールがあっても、総額の半分以上は原資として残る、という構造です。
| 従業員数 | ポイント原資(1人月500円の場合の年額) | ツール利用料(月額385円/人の場合の年額) | 合計 |
|---|---|---|---|
| 50名 | 300,000円 | 231,000円 | 531,000円 |
| 100名 | 600,000円 | 462,000円 | 1,062,000円 |
| 300名 | 1,800,000円 | 1,386,000円 | 3,186,000円 |
※ 原資の金額は設計次第で自由に決められる仮の想定です。ツール利用料は、1アカウント単価を公開しているSushi Bonusの月額385円(税込)で計算した参考値です。初期費用や支援費用は含みません。
2. 少人数では仕組みが機能しない
ピアボーナスは、送り合いが目に見えることで効果が出る仕組みです。参加者が10名程度だと、誰が誰に送ったかが全員に分かりすぎて、気を遣った配り方になりやすくなります。ベンダー側が最低契約数を設けるのは課金上の都合だけでなく、効果が出る規模の下限があるためでもあります。
3. 導入初期の運用支援が価格に含まれる
ピアボーナスは導入しただけでは使われません。送る文化をつくる初期の働きかけ、配布ポイントの設計、投稿が減ったときの立て直しといった運用支援が定着を左右します。この支援は人手を伴うため、無料では提供しにくい領域です。料金が非公開の製品が多いのも、支援の範囲が企業ごとに異なることと関係していると考えられます。
費用をかけずに始める代替手段
予算がつくかどうか分からない段階では、既存ツールで小さく試す方法があります。
| 方法 | できること | できないこと |
|---|---|---|
| Slack・Teamsに感謝専用チャンネルを作る | 感謝を可視化する。反応の量を見る | ポイントの集計、換金、貢献の定量把握 |
| スプレッドシートで月次の送り合いを記録 | 誰から誰への流れを把握する | リアルタイム性、参加のしやすさ |
| 既存の表彰制度に推薦枠を追加 | 現場からの推薦を制度に組み込む | 日常的な少額のやり取り |
この方法で3か月ほど運用し、投稿が自然に続くかどうかを確認してから有料ツールを検討すると、導入後に使われないという失敗を避けられます。専用チャンネルの投稿が2か月目に止まるようであれば、ツールを入れても同じ結果になる可能性が高く、先に運用の設計を見直すほうが効果的です。
有料ツールに移る判断基準
1. 手作業の集計が負担になった
スプレッドシートでの記録が月に数十件を超えると、集計そのものが業務になります。この段階でツール化すると、削減できる工数が費用に見合いはじめます。
2. 換金・還元の仕組みが必要になった
感謝の可視化だけでなく、実際に何かに交換できるようにしたい段階では専用ツールが必要です。ポイント管理と交換の仕組みを自作するのは現実的ではありません。
3. 部署をまたいだ利用に広げたい
一部門での試行から全社展開に移るとき、参加者数と投稿量が一段増えます。チャンネル運用では追いきれなくなるのがこのタイミングです。
無料で試せる・少人数から始めやすいピアボーナスツール
無料のトライアル期間がある製品と、最低利用人数がなく少人数から始めやすい製品を挙げます。
Agelu(あげる)
★★★★★★★★★★- 初期費用
- 0円
- 月額費用
- 要見積もり(利用ユーザー数により変動)
- 無料トライアル
- あり(月額料金1か月無料)
- 最短導入
- Webブラウザがあればすぐに利用開始可能
- チップを贈れる「ありがとう」機能で感謝を伝達
- 自由に投稿できる「きいてきいて」機能でコミュニケーションを活性化
- コメント・リアクションの「いいね!」機能、1か月間の無料トライアルあり
GRATICA(グラティカ)
★★★★★★★★★★- 初期費用
- 要見積もり
- 月額費用
- 30,000円〜(最低利用料金)
- 無料トライアル
- あり(2週間)
- 最短導入
- 要問い合わせ
- 従業員同士の感謝を可視化するデジタルサンクスカード
- ウェルビーイング循環マップでチームの状況を把握
- 一部署からの導入に対応
- 初期費用
- 0円(期間限定、通常は要問い合わせ)
- 月額費用
- 385円/アカウント(税込)
- 無料トライアル
- 要問い合わせ
- 最短導入
- 要問い合わせ
- Slack・Teams・LINE・ChatWorkと連携
- 寿司の絵文字で感謝を送るシンプルな操作
- ポイントのボーナス交換機能
無料のピアボーナスツールに関するよくある質問
Q. 無料で使い続けられるピアボーナスツールはありますか
2026年10月時点で、掲載10製品に無料で使い続けられるプランを公開している製品はありません。Ageluは月額料金1か月無料、GRATICAは2週間のトライアルがあり、RECOGやSushi Bonusは無料デモで画面を確認できますが、いずれも導入前の試用にあたります。本番運用を無料で続けたい場合は、チャットツールの専用チャンネルなど既存ツールで代用するのが現実的です。
Q. ツールが無料なら費用はかかりませんか
ポイントの原資は別に必要です。社員に配るポイントを金券や商品に交換できる設計にする場合、その原資は企業が負担します。1人あたり月500円分を配る設計なら、100名の会社で年間600,000円です。ツール利用料と同程度、あるいはそれ以上になることも多いため、原資を含めた総額で予算を組んでください。
Q. 10名の会社でも導入できますか
製品によります。PHONE APPLI THANKSのように最低契約数を50IDと定めている製品では、10名でも50ID分の費用が発生します。Sushi Bonusは最低利用人数がなく、10名なら月額3,850円(税込)が計算上の目安です。また、送り合いが少人数だと相互に気を遣った配り方になりやすく、仕組みとしての効果も出にくくなります。10名規模であれば、まずチャットツールの専用チャンネルで感謝を可視化するところから始めるほうが現実的です。
Q. 無料期間中に何を確認すべきですか
機能ではなく投稿が続くかどうかを見てください。導入直後は誰でも投稿しますが、2週目・3週目に減るかどうかが定着の分かれ目です。あわせて、送る側の操作が何ステップで完了するか、スマートフォンから送れるか、投稿が他の社員の目に触れる導線があるかの3点を確認すると、定着しやすさを判断できます。
まとめ|無料かどうかより、原資と規模で判断する
2026年10月時点で、掲載10製品に恒久的な無料プランを公開している製品はありません。無料で試せるのは導入前のトライアルやデモで、本番運用の受け皿にはなりません。
そして無料ツールを選んでも、ポイントの原資はなくなりません。1人あたり月500円分の配布設計なら、100名で年間600,000円です。ツール利用料と原資を合わせた総額で考えることが、この領域の予算設計では欠かせません。まずは既存のチャットツールで感謝の可視化を3か月試し、投稿が続くことを確認してから有料ツールを検討する、という順序が失敗を減らします。
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記載した料金・無料の扱いは2026年10月時点の各社公式サイトの公開情報に基づく参考値です。ポイント原資の試算は本記事が置いた仮の設計にもとづくもので、実際の金額は各社の制度設計により異なります。最新情報は各社公式サイトでご確認ください。
