ABMとは?意味・機能・メリットをわかりやすく解説

ABMとは?意味・機能・メリットをわかりやすく解説

「ABM」という言葉を目にしたものの、MAやSFAとの違いや自社に必要な仕組みなのかが判然としないまま検索している方も多いのではないでしょうか。ABM(アカウントベースドマーケティング)とは、狙うべき重点企業をあらかじめ定め、マーケティング・営業・カスタマーサクセスが部門横断で攻略する戦略的マーケティング手法、またそれを支援するツールです。

ABMがなぜ今注目されているのか、その背景から主な機能、導入によるメリットと確認しておきたい注意点、検討の進め方までを順に解説します。具体的な製品同士の比較は、記事後半でご紹介する比較記事にまとめています。

ABM(アカウントベースドマーケティング)とは

ABM(Account Based Marketing)とは、自社にとって受注確度や取引単価が高い企業(アカウント)を選び出し、そこにリソースを集中投下する戦略的マーケティング手法です。不特定多数へ広く浅くアプローチする従来型の手法とは逆に、狙うべき企業を絞り込んでから深く攻略する点が特徴です。

量を追うアプローチでは、担当者のリソースが薄く広がり、有効な商談につながりにくいという課題があります。ABMツールを使うと、企業データベースやインテントデータ(購買意欲を示す行動データ)をもとに攻略すべき企業を選び出し、マーケティング・営業・カスタマーサクセスが一貫した情報を共有しながらアプローチできます。

MA・SFAとの違い

混同されやすい仕組みとの違いは、「何を単位にターゲットを選ぶか」で整理できます。

項目 対象の単位 主な目的
ABMツール 企業(アカウント) 重点企業への集中アプローチ
MA(マーケティングオートメーション) 個人(リード) 見込み客の育成・選別
SFA 案件 営業活動・商談の進捗管理

MAは個人の行動データを追い、SFAは商談の進捗を管理するのに対し、ABMツールは「企業」を主語にターゲットを選定します。実務では、MAツールSFAで蓄積したデータをABMツールに取り込み、重点企業を選び出す使い方が一般的です。

ABMの導入が増えている背景

導入が広がっている理由は、BtoBマーケティング市場そのものの拡大、量を追うアプローチの限界、部門間連携を重視する動きの3点にあります。

BtoBマーケティング支援市場は拡大が続いている

ITR(アイ・ティ・アール)の調査によると、国内のBtoBマーケティング支援市場は2026年度に210億円へ達すると予測されており、BtoC向け市場(152億円予測)を上回る規模です。市場全体が伸びるなかで、限られたリソースを重点企業に集中させるABMの考え方に注目が集まっています。

不特定多数へのアプローチでは商談化率が伸び悩みやすい

BtoB商材は取引単価が高く、意思決定に複数の関係者が関わることが多いため、リストの量を追うアプローチでは有効な商談に結びつきにくいという課題があります。受注確度の高い企業に絞ってアプローチするほうが、限られた人員でも成果を出しやすいという判断から導入が進んでいます。

部門間の連携を重視する動きが広がっている

海外のB2Bデジタルマーケティングリーダーを対象とした調査では、7割がABM関連技術への投資を計画していると回答しており、マーケティングと営業が同じターゲットリストを共有し、一貫した対応を取る体制づくりが重視されています。

<p class=”cp-note”>※数値は各調査時点で公表されている情報に基づく参考値です(BtoBマーケティング支援市場は2026年8月時点、海外調査は2022年12月時点)。最新の情報は各調査の公表元でご確認ください。</p>

ABMツールの主な機能

主な機能は、企業データベース・スコアリング・インテント検知・CRM/SFA連携・効果測定の5つです。

企業データベース

売上高・従業員数・業種などの企業属性データをもとに、ターゲットとなりうる企業を検索・分析する機能です。

期待できる効果:自社で企業リストをゼロから作らなくても、条件に合う企業を素早く洗い出せます。

スコアリング

既存顧客データや行動データをもとに、優良企業となる可能性が高い企業を自動でスコア化する機能です。

何が楽になるか:担当者の経験や勘に頼らず、優先してアプローチすべき企業を機械的に絞り込めます。

インテント検知

Webサイトの閲覧行動や検索キーワードから、購買意欲が高まっている企業を検知する機能です。

成果につながるポイント:今まさに情報収集している企業にタイミングよく接触でき、無駄な架電・訪問を減らせます。

CRM・SFA・MA連携

既存の営業支援ツールとターゲット企業データを連携し、情報を一元管理する機能です。

部門間の情報共有はどう変わるか:別々のリストを持つ必要がなくなり、営業とマーケティングが同じ情報を見て動けます。

効果測定

重点企業へのアプローチ状況や商談化率、受注率を企業単位で可視化する機能です。

現場で実感しやすい変化:キャンペーン単位ではなく企業単位で成果を追えるため、どの企業への投資が実を結んだかを把握しやすくなります。

ABMを導入するメリット

導入するメリットは、受注確度の高い企業への集中投資・部門横断でのターゲット共有・既存顧客データを生かした類似企業の発掘・投資対効果の可視化の4点です。

受注確度・取引単価の高い企業にリソースを集中できる

すべての見込み客に均等にアプローチするのではなく、自社にとって価値の高い企業を選んで重点的にアプローチできるため、限られた人員でも成果を出しやすくなります。

営業とマーケティングが同じターゲットを共有できる

部門ごとにばらばらのリストで動くのではなく、同じ重点企業リストを共有することで、アプローチの一貫性が高まり、企業側に送るメッセージの重複や矛盾を防げます。

既存顧客データから類似する優良企業を発掘できる

受注につながった顧客の特徴をもとに、似た属性を持つ企業をデータベースから洗い出せるため、勘に頼らない新規開拓が可能になります。

企業単位で投資対効果を可視化できる

案件ごとではなく企業単位でアプローチの成果を測定できるため、どの企業にどれだけのリソースを投じ、どんな成果が出たかを経営層に説明しやすくなります。

導入前に確認したいこと(デメリット・注意点)

確認しておきたいのは、対象企業が少ないと効果を出しにくいこと・料金が個別見積もり中心であること・既存データの整備が前提になること・成果が出るまで時間がかかることの4点です。

対象企業が少ない・単価が低い商材では効果を出しにくい

ABMは限られた重点企業に集中投資する手法のため、対象となる企業の母数が極端に少なかったり、1社あたりの取引額が小さい商材では、投資に見合う成果を得にくい場合があります。

料金は個別見積もりが中心で比較しづらい

企業データベースの規模やCRM・SFA連携の範囲によって料金が変わるサービスが多く、公式サイトだけでは金額を把握しにくいのが実情です(2026年8月時点、要見積もりが中心)。具体的な料金の目安はABM(重点企業マーケティング)ツールのおすすめ4選を比較【2026年版】料金・機能・選び方で確認できます。

既存の顧客データが整っていないと精度が上がらない

類似企業の発掘やスコアリングの精度は、既存顧客データの質に左右されます。データが複数のシステムに分散していたり表記が揺れていたりすると、初期整備に想定より時間がかかることがあります。

成果が出るまでに一定の期間がかかる

重点企業との関係構築を積み重ねる手法のため、短期間での即効性は期待しにくく、部門横断での運用を継続しながら効果を検証する姿勢が求められます。

ABM導入の進め方

導入は、重点企業の条件整理 → 候補の比較・資料請求 → トライアルでの精度確認 → データ連携とリスト作成 → 部門横断での運用と検証の5ステップで進めるのが一般的です。

ステップ 内容
1. 重点企業の条件整理 自社にとっての重点企業(ターゲット)の条件を整理し、既存顧客データの活用状況を確認する
2. 候補の比較・資料請求 企業データベースの収録件数・精度とCRM/SFA連携の可否を比較する
3. トライアルでの精度確認 無料相談やトライアルで、ターゲットリスト作成やスコアリングの精度・使いやすさを確認する
4. データ連携とリスト作成 契約後、既存顧客データや自社のCRM/SFAと連携し、ターゲット企業リストを作成する
5. 部門横断での運用と検証 営業・マーケティング部門でターゲットリストを共有し、アプローチの効果を継続的に検証する

最初から全社展開を目指すのではなく、一部の重点企業から試験的に始め、効果を確認しながら対象を広げるほうが、現場の負担を抑えながら精度を高めやすくなります。

ABMに関するよくある質問

Q. 少人数のマーケティングチームでも導入できますか?

少人数でも運用できるよう設計されているサービスが多く、対象企業を絞り込むことで一人あたりの管理負荷を抑えられます。ただし部門横断でのフォロー体制がないと効果が出にくいため、着手前に運用体制を検討しておくと安心です。

Q. 効果が出るまでどのくらいかかりますか?

重点企業との関係構築には一定の期間が必要で、導入後すぐに成果が出るとは限りません。まずは一部の重点企業から試験的に運用し、数ヶ月単位で効果を検証しながら対象を広げていくのが一般的です。

Q. MAツールと両方導入する必要がありますか?

必須ではありませんが、MAで収集した個人の行動データをABMツールに取り込み、企業単位のスコアリング精度を高める使い方をする企業が増えています。すでにMAを導入している場合は、連携の可否を確認すると選定がスムーズです。

まとめ

ABMとは、狙うべき重点企業を定め、部門横断で攻略する戦略的マーケティング手法です。

  • 主な機能は企業データベース・スコアリング・インテント検知・CRM/SFA連携・効果測定の5つ
  • メリットは受注確度の高い企業への集中投資だけでなく、部門横断でのターゲット共有と投資対効果の可視化にもおよぶ
  • 対象企業数が少ない商材では効果を出しにくいため、自社の商材特性を先に見極める
  • 料金は個別見積もりが中心のため、比較検討には具体的な数値の確認が欠かせない
  • 既存の顧客データを整備しておくと、スコアリングや類似企業発掘の精度が上がる

自社に合うサービスを比較したい場合はABM(重点企業マーケティング)ツールのおすすめ4選を比較【2026年版】料金・機能・選び方、掲載サービスの一覧と資料請求はABMツールのカテゴリページからご覧いただけます。

本記事の調査方法

本記事は、ITR(アイ・ティ・アール)のBtoBマーケティング支援市場調査、海外のB2Bデジタルマーケティングリーダーを対象とした投資意向調査、および各社公式サイトの情報をもとに作成しています。数値・料金は変更される場合があるため、最新情報は各社公式サイトでご確認ください。

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