CRMの費用相場は?10製品の料金で比較

CRM(顧客関係管理)の費用は「1ユーザー月額1,000円台から」と紹介されることが多い一方で、実際には利用人数ではなく顧客データの件数で料金が決まる製品も少なくありません。顧客リストを何万件も抱える企業と、少人数で数百社を追いかける企業とでは、同じ製品でも見積もりの出方が変わります。

この記事では、SmartSpaceに掲載しているCRM10製品の公開料金をもとに、費用の内訳、料金体系の4タイプ、利用人数10名・30名・100名での月額シミュレーション、見落としやすい追加費用、コストを抑える視点を整理します。掲載しているのはすべて各社公式サイトで公開されている金額です。

本記事に記載した料金は2026年8月時点の各社公式サイトの公開情報に基づく参考値です。最新情報は各社公式サイトでご確認ください。税表示(税抜・税別・税込)は各社の表記に従っています。

CRMの費用を構成する4項目

CRMの費用は、初期費用・月額利用料・オプション料金・最低利用条件による下限額の4項目で構成されます。掲載10製品を確認すると、月額利用料の課金対象が「利用ユーザー数」と「顧客データの件数」に割れており、この違いが総額を大きく左右していました。

費用項目 内容 掲載10製品での実態
初期費用 契約時に一度だけ発生する導入費用 0円が6製品、金額を公開しているのが2製品、要問い合わせが3製品
月額利用料 毎月継続して発生する利用料 1ユーザー1,000〜7,070円のグループと、月額10,000〜50,000円の定額グループに二分
オプション料金 標準機能に含まれない機能・チャネルの追加料金 メール配信で月額14,000円〜、LINE配信で初期30,000円などの加算
最低利用条件 最低利用人数・最低利用期間・契約単位 最小10ユーザー、最低利用期間6か月、5名単位といった条件が存在

初期費用は10製品中6製品が0円

CRMの初期費用は、クラウド型を中心に0円と明記する製品が多数派です。掲載10製品の内訳は次のとおりです。

初期費用 該当製品
0円 HubSpot CRM、kintone、Zoho CRM、Ambassador Relations Tool、FlexCRM、F-RevoCRM(F-RevoCRM Cloud)
金額を公開 Synergy! 118,000円〜(税別)、F-RevoCRM Enterprise 200,000円〜
要問い合わせ Microsoft Dynamics 365 Sales、ネクストSFA/CRM、カスタマーリングス

金額を公開している2製品は、いずれも自社専用の環境構築や設定作業を前提とする構成です。F-RevoCRMは、クラウド版なら初期費用0円、自社環境へ導入するEnterprise版なら初期費用200,000円〜と、同じ製品でも導入形態によって初期費用が分かれると公式サイトに記載しています。初期費用の有無は製品の優劣ではなく導入形態の違いとして読むほうが実態に合います。

月額利用料は「ユーザー課金型」と「顧客データ件数課金型」に分かれる

掲載10製品の月額利用料は、1ユーザーあたりの単価を公開しているグループと、顧客データの件数や機能構成に応じた定額を提示するグループに分かれます。

月額の考え方 該当製品と公開金額
1ユーザー単価 kintone ライトコース1,000円/スタンダードコース1,800円(いずれも税抜)、FlexCRM 1,320円〜、Zoho CRM スタンダード1,760円/エンタープライズ5,660円(年間契約時)、HubSpot CRM Starter 約1,800円(年間契約時)、Microsoft Dynamics 365 Sales Professional 7,070円/Premium 14,680円
顧客データ件数に応じた定額 Synergy! 22,000円〜(税別)、Ambassador Relations Tool 26,800円〜、カスタマーリングス 要問い合わせ
人数枠パッケージ ネクストSFA/CRM 50,000円〜(10ユーザー込み)、F-RevoCRM Cloud 10,000円(税別・1〜5名)から5名ごとに10,000円加算
無料プラン HubSpot CRM 0円、Zoho CRM 0円(3ユーザーまで)、Ambassador Relations Tool 0円(顧客管理1万件・メール配信1万通まで)

1ユーザー1,000円と月額26,800円を並べると26倍の開きに見えますが、単価型は利用人数を掛けた金額でなければ比較になりません。1ユーザー1,800円の製品は15名で27,000円に達し、件数課金型と同じ水準になります。この分岐点は後述のシミュレーションで扱います。

オプション料金は配信チャネルとユーザー追加で発生する

標準構成に含まれない機能を追加すると、月額が上乗せされます。掲載製品で公開されている加算額は次のとおりです。

  • Synergy! — 顧客データベースとフォームが必須構成(初期118,000円/月額22,000円〜・税別)で、メール配信を追加すると月額14,000円〜、LINE配信を追加すると初期30,000円・月額0円〜が加算されます
  • ネクストSFA/CRM — 標準プランに10ユーザー分が含まれ、11ユーザー目以降は1ユーザー月額5,000円が加算されます。名刺管理・メール一括配信・セールスマップなどもオプションです
  • F-RevoCRM — F-RevoCRM Cloudは5名単位の課金で、6〜10名は月額20,000円(税別)、以降5名ごとに10,000円ずつ加算されます

顧客データを蓄積するだけでなく、メールやLINEでアプローチするところまで想定しているなら、配信チャネルの追加費用まで含めた金額で見積もりを取ってください。顧客データベース単体の月額と、実際に施策を回す構成の月額は別物です。

最低利用人数・最低利用期間が実質的な下限を決める

利用人数が少ない場合でも一定額を請求する仕組みや、契約期間を定める条件を設ける製品があります。掲載製品で公開されている条件は次のとおりです。

製品 条件
kintone ライトコース・スタンダードコースとも最小10ユーザー(税抜)
ネクストSFA/CRM 最低利用期間6か月・最低10人
F-RevoCRM F-RevoCRM Cloudは5名単位の契約。26名以上は要問い合わせ
Zoho CRM 無料プランは3ユーザーまで
FlexCRM 1ユーザーから契約可能、最低契約数なし

kintoneの1ユーザー1,000円という単価は、最小10ユーザーが前提のため、実質的な下限は月額10,000円(税抜)です。3名で使いたい場合でも10ユーザー分の料金がかかる計算になります。少人数で始めたい企業は、最低契約数を設けていない製品もあわせて確認しておくと選択肢が広がります。

CRMの料金体系4タイプと掲載10製品の分類

CRMの料金体系は、ユーザー課金型・顧客データ件数課金型・人数枠パッケージ型・無料プラン併用型の4つに分類できます。自社が抱える顧客データの件数と、CRMに触る社員の人数のどちらが多いかで、有利な体系が変わります。

料金体系タイプ 課金の仕組み 該当製品
ユーザー課金型 利用ユーザー数×単価で月額が決まる kintone、Zoho CRM、HubSpot CRM(Starter)、Microsoft Dynamics 365 Sales、FlexCRM
顧客データ件数課金型 管理する顧客データ件数や配信数で月額が決まる Synergy!、Ambassador Relations Tool、カスタマーリングス
人数枠パッケージ型 一定人数までを含む定額+超過分の加算 ネクストSFA/CRM、F-RevoCRM
無料プラン併用型 一定の人数・件数まで無料、超過分から有料 HubSpot CRM、Zoho CRM、Ambassador Relations Tool

無料プラン併用型の3製品は、有料プランに移ればユーザー課金型または件数課金型に合流します。無料枠は「入り口の体系」、有料プランは「本番の体系」として二段構えで確認しておくと、移行後の金額を読み違えずに済みます。

ユーザー課金型は1,000〜7,070円と7倍の幅がある

ユーザー課金型は、CRMを使う社員数に単価を掛けるだけで月額が決まる方式です。掲載製品では、kintoneライトコースの1,000円(税抜)が下限、Microsoft Dynamics 365 Sales Professionalの7,070円が上限で、7倍の開きがあります。

単価の差は、機能の幅とカスタマイズの自由度に対応しています。kintoneはノーコードで顧客管理アプリを自作する前提、Dynamics 365 SalesはOutlook・Teams・Excelとの連携やCopilotによる商談要約を含む構成です。単価だけを並べても意味がなく、自社が使う機能まで含めた同条件で比較する必要があります。

kintone のサイト画面

kintone

★★★★★★★★★★
初期費用
0円
月額費用
1,000円〜(税抜)
無料トライアル
あり(30日間)
最短導入
要問い合わせ
  • ノーコードで顧客管理・案件管理などの業務アプリを自作できる
  • アプリ内コメントでデータを見ながらチームで情報共有できる
  • プラグインやAPI連携で機能を拡張し、幅広い業務に対応

顧客データ件数課金型は利用人数が増えても月額が変わらない

顧客データ件数課金型は、CRMに登録する顧客の件数や配信数で料金が決まる方式です。Synergy!は顧客データ件数や配信数に応じた料金体系を採り、必須構成のデータベース・フォームが月額22,000円〜(税別)と公式サイトに記載しています。Ambassador Relations Toolは顧客管理1万件・メール配信1万通までを無料とし、顧客数・配信数の増加に応じて月額26,800円〜の有料プランへ移行する設計です。カスタマーリングスも顧客データ件数やオプションによって月額が変動する個別見積もりです。

利用人数に費用が連動しないため、マーケティング部門の数名が主に触り、営業やサポートも閲覧するといった使い方では総額を抑えやすくなります。反対に、顧客リストが数十万件規模になる通販・小売業では、件数が費用に直結する点を先に押さえておく必要があります。

Synergy! のサイト画面

Synergy!

★★★★★★★★★★
初期費用
118,000円〜(税別)
月額費用
22,000円〜(税別)
無料トライアル
あり
最短導入
要問い合わせ
  • 顧客データベースを中心にフォーム・メール・LINE配信などを組み合わせ可能
  • 国内データセンター運用でセキュリティ体制を重視
  • 顧客データ件数や配信数に応じた柔軟な料金体系

人数枠パッケージ型は5名・10名単位で段階的に上がる

人数枠パッケージ型は、一定人数までを含む定額を基本とし、超過分を加算する方式です。ネクストSFA/CRMは10ユーザー分を含む標準プランが月額50,000円〜で、11ユーザー目以降は1ユーザー月額5,000円が加算されます。F-RevoCRM Cloudは1〜5名が月額10,000円(税別)、6〜10名が20,000円と、5名ごとに10,000円ずつ上がる階段状の設計です。

人数の増減が階段の途中で起きても月額が変わらないため、予算を立てやすい体系といえます。一方で、11名で使う場合も15名分の枠を契約する形になるなど、枠の切れ目のすぐ上の人数では割高になりやすい点は把握しておきましょう。

ネクストSFA/CRM のサイト画面

ネクストSFA/CRM

★★★★★★★★★★
初期費用
要問い合わせ
月額費用
50,000円〜
無料トライアル
要問い合わせ
最短導入
要問い合わせ
  • SFA・CRM・MA・BI機能を一つのツールに統合
  • 10ユーザー込みの基本プラン、11ユーザー目以降は1ユーザー月額5,000円
  • 名刺管理・メール一括配信・セールスマップなどオプションが豊富

無料プラン併用型は顧客データの棚卸しから始められる

無料プラン併用型は、一定の人数や件数まで無料で使える製品です。HubSpot CRMは連絡先管理・商談パイプライン・フォーム・メール送信などの基本機能を無料版で利用でき(一部制限あり)、Zoho CRMは3ユーザーまで見込み客管理やドキュメント管理を無料で使えます。Ambassador Relations Toolは顧客管理1万件・メール配信1万通までが無料枠です。

散在している顧客データを1か所に集める作業は、製品選定と同じくらい時間がかかります。無料プランでデータの棚卸しと項目設計を先に済ませてから有料プランを検討する進め方なら、選定期間中の費用を抑えられます。

HubSpot CRM のサイト画面

HubSpot CRM

★★★★★★★★★★
初期費用
0円
月額費用
0円〜(無料版)
無料トライアル
あり(無料版あり)
最短導入
要問い合わせ
  • 連絡先・商談管理などの基本機能を無料で利用できる
  • 営業・マーケティング・カスタマーサービスを同一基盤で統合管理
  • 1,000種類以上の外部アプリと連携でき、段階的にプラン拡張が可能

利用人数10名・30名・100名で試算したCRMの月額費用

掲載10製品の公開料金を使い、CRMを利用する社員数が10名・30名・100名の3パターンで月額を試算しました。試算の前提は次のとおりです。

  • 顧客データを閲覧・入力する社員全員にアカウントを付与するものとして計算
  • 標準的な顧客管理機能のみを利用し、メール配信などのオプションは追加しない
  • 各社の表記どおりの金額で計算(税抜・税別・税込が混在)
  • 最低利用人数が設定されている製品は、適用後の金額を記載
  • 顧客データ件数課金型は、公開されている下限額をそのまま記載(件数により上振れします)

利用人数10名の月額費用

利用人数10名では、有料プランで月額10,000〜70,700円、無料プランを含めれば0円からという幅になります。

製品 単価・プラン 月額(10名)
HubSpot CRM 無料版 0円
Zoho CRM 無料プラン(3ユーザーまで) 0円 ※3名まで
Ambassador Relations Tool 無料プラン(顧客管理1万件・メール配信1万通まで) 0円
kintone ライトコース1,000円/ユーザー(税抜・最小10ユーザー) 10,000円
FlexCRM スタンダードプラン1,320円/ユーザー〜 13,200円〜
Zoho CRM スタンダード1,760円/ユーザー(年間契約時) 17,600円
kintone スタンダードコース1,800円/ユーザー(税抜) 18,000円
HubSpot CRM Starter Customer Platform 約1,800円/シート(年間契約時) 約18,000円
F-RevoCRM F-RevoCRM Cloud 6〜10名(税別) 20,000円
Synergy! データベース・フォーム(税別・初期118,000円〜) 22,000円〜
Ambassador Relations Tool 有料プラン 26,800円〜
ネクストSFA/CRM 標準プラン(10ユーザー込み) 50,000円〜
Zoho CRM エンタープライズ5,660円/ユーザー(年間契約時) 56,600円
Microsoft Dynamics 365 Sales Sales Professional 7,070円/ユーザー 70,700円
カスタマーリングス 顧客データ件数やオプションにより変動 要問い合わせ

注目したいのは、kintoneの最小10ユーザーがちょうど下限に達している点です。単価1,000円がそのまま効くのは10名以上からで、それ未満の人数では1人あたりの実質単価が上がります。10名規模では顧客データ件数課金型が割高に見えますが、これは人数が少ない段階の見え方にすぎません。

利用人数30名の月額費用

利用人数30名では、ユーザー課金型が月額30,000〜212,100円に伸びる一方、顧客データ件数課金型は10名のときと同じ22,000円〜のままです。両者の順位がここで入れ替わります。

製品 単価・プラン 月額(30名)
Ambassador Relations Tool 無料プラン(1万件まで) 0円
Synergy! データベース・フォーム(税別) 22,000円〜
Ambassador Relations Tool 有料プラン 26,800円〜
kintone ライトコース1,000円/ユーザー(税抜) 30,000円
FlexCRM スタンダードプラン1,320円/ユーザー〜 39,600円〜
Zoho CRM スタンダード1,760円/ユーザー(年間契約時) 52,800円
kintone スタンダードコース1,800円/ユーザー(税抜) 54,000円
HubSpot CRM Starter Customer Platform 約1,800円/シート 約54,000円
ネクストSFA/CRM 50,000円+11ユーザー目以降5,000円×20名 150,000円〜
Zoho CRM エンタープライズ5,660円/ユーザー(年間契約時) 169,800円
Microsoft Dynamics 365 Sales Sales Professional 7,070円/ユーザー 212,100円
F-RevoCRM F-RevoCRM Cloudは26名以上が要問い合わせ 要問い合わせ
カスタマーリングス 顧客データ件数やオプションにより変動 要問い合わせ

年額に置き換えると、Synergy!は初期118,000円+月額22,000円×12=382,000円〜(税別)、Zoho CRMスタンダードは52,800円×12=633,600円という水準です。30名規模になると、顧客データ件数課金型のほうが年間20万〜30万円低く収まる構図が生まれます。

利用人数100名の月額費用

利用人数100名では、ユーザー課金型が月額100,000〜707,000円に達し、顧客データ件数課金型との差は最大で年間800万円規模まで開きます。

製品 単価・プラン 月額(100名)
Synergy! データベース・フォーム(税別) 22,000円〜
Ambassador Relations Tool 有料プラン 26,800円〜
kintone ライトコース1,000円/ユーザー(税抜) 100,000円
FlexCRM スタンダードプラン1,320円/ユーザー〜 132,000円〜
Zoho CRM スタンダード1,760円/ユーザー(年間契約時) 176,000円
kintone スタンダードコース1,800円/ユーザー(税抜) 180,000円
HubSpot CRM Starter Customer Platform 約1,800円/シート 約180,000円
ネクストSFA/CRM 50,000円+11ユーザー目以降5,000円×90名 500,000円〜
Zoho CRM エンタープライズ5,660円/ユーザー(年間契約時) 566,000円
Microsoft Dynamics 365 Sales Sales Professional 7,070円/ユーザー 707,000円
F-RevoCRM/カスタマーリングス 公開値の前提人数を超える、または個別見積もり 要問い合わせ

Synergy!の月額22,000円〜を基準にすると、1ユーザー1,000円の製品では22名、1,760円なら13名、7,070円なら4名で同じ月額に到達します。ただし顧客データ件数課金型は件数や配信数に応じて上振れするため、自社の顧客データ件数を数えてから見積もりを取らないと、この比較は成立しません

規模別シミュレーションから読み取れる3つの傾向

3パターンの試算からは、次の3点が読み取れます。

  1. 10名規模では最低利用人数が実質単価を決める — kintoneの最小10ユーザーのように、公開単価がそのまま効き始める人数が製品ごとに設定されています。少人数では単価より契約単位の確認が先になります
  2. 30名前後でユーザー課金型と件数課金型の順位が入れ替わる — 1ユーザー1,800円×30名=54,000円に対し、件数課金型の公開下限は22,000〜26,800円。この人数帯から課金の分母を見直す価値が出てきます
  3. 100名規模では課金の分母がそのまま総額を決める — ユーザー課金型は月額10万〜70万円に伸びる一方、件数課金型は人数に連動しません。全社展開を前提とするほど、分母の選択が効いてきます

見落としやすい追加費用と契約条件

見積もり段階で見落としやすいのは、最低利用人数・顧客データ件数の超過・配信チャネルの追加・データ移行と初期設定・年間契約と為替の5点です。月額単価だけを比較すると、実際の請求額と食い違う原因になります。

最低利用人数と契約単位の縛り

kintoneは最小10ユーザー、ネクストSFA/CRMは最低利用期間6か月・最低10人、F-RevoCRM Cloudは5名単位の契約と、それぞれ公式サイトに記載しています。数名で試したい段階では、これらの条件がそのまま下限額になります。

一方でFlexCRMは1ユーザーから契約でき、月単位でユーザー数を増減できると公式サイトに記載しています。部署単位で段階的に広げていく計画なら、契約単位の柔軟さが総額に効いてきます。

顧客データ件数の超過と配信数の上限

顧客データ件数課金型では、件数が増えた時点でプランが上がります。Ambassador Relations Toolの無料プランは顧客管理1万件・メール配信1万通までで、これを超えると月額26,800円〜の有料プランへの移行が必要です。Synergy!とカスタマーリングスも、顧客データ件数に応じて料金が変動すると公式サイトに記載しています。

見積もり依頼の前に、現在の顧客データ件数と、年間の増加ペースを数字で押さえておくと精度が上がります。名寄せ前の重複データを含めたまま件数を伝えると、必要以上に大きなプランを提案される場合があるため、重複排除後の実件数で確認するのが実務的です。

配信チャネルの追加とデータ移行・初期設定の作業費

顧客データを蓄積するだけでなく、メールやLINEでアプローチするなら、チャネルごとの費用が加わります。Synergy!ではメール配信が月額14,000円〜、LINE配信が初期30,000円・月額0円〜(いずれも税別)です。

初期設定やデータ移行の扱いも製品ごとに分かれます。カスタマーリングスは初期費用に環境構築・操作トレーニング・初期アクション設定支援が含まれると公式サイトに記載しており、要問い合わせながら支援の範囲が明示されています。要問い合わせの製品については、既存のExcelや名刺データの取り込み、外部サービスとの連携設定が有償か無償かを見積もり時に確認しておきましょう。

年間契約・為替による表示価格の変動

公開されている単価が年間契約を前提としている製品があります。Zoho CRMのスタンダード1,760円・エンタープライズ5,660円、HubSpot CRMのStarter約1,800円は、いずれも年間契約時の金額です。F-RevoCRM Cloudは年契約で10%割引となり、1〜5名なら年額108,000円と公式サイトに記載しています。

海外製品では為替の影響も受けます。月払いに切り替えた場合の単価と、為替変動時の改定条件は、見積もり時に書面で確認しておくと想定外の増額を避けやすくなります。

CRMの費用を抑える5つの視点

費用を抑える手立ては、課金の分母を選ぶ・無料枠を使い切る・年間契約の割引を確認する・プラン階層を見極める・重複契約を整理するの5つに整理できます。

1. 課金の分母が「人数」か「顧客データ件数」かを選ぶ

自社の実態が「触る社員は多いが顧客データは数千件」なのか「少人数で数十万件を扱う」のかで、有利な料金体系が変わります。前者なら顧客データ件数課金型、後者ならユーザー課金型が候補です。100名で1ユーザー1,800円なら月額180,000円ですが、件数課金型の公開下限は22,000円〜という水準です。利用人数と顧客データ件数の2つの数字を先に把握することが、料金体系を選ぶ出発点になります。

2. 無料プランで顧客データの棚卸しを終わらせる

HubSpot CRMの無料版、Zoho CRMの無料プラン(3ユーザーまで)、Ambassador Relations Toolの無料プラン(顧客管理1万件・メール配信1万通まで)は、いずれも期限を切らずに使える無料枠です。散在している顧客データの統合と項目設計をこの段階で済ませておくと、有料プランに移ってから設計をやり直す手戻りを減らせます。

kintoneは30日間、Zoho CRMは15日間、FlexCRMは90日間の無料トライアルを公式サイトで案内しています。Synergy!とF-RevoCRM Cloudも無料トライアルの窓口を用意しています。

3. 年間契約・年払いの割引条件を確認する

F-RevoCRM Cloudは年契約で10%割引となり、1〜5名なら月額10,000円(税別)に対し年額108,000円です。単純計算で年間12,000円の圧縮になります。Zoho CRMとHubSpot CRMの公開単価も年間契約を前提とした金額のため、月払いを選ぶと単価が変わります。

ただし年間契約は途中解約が難しくなる場合があるため、無料プランやトライアルで運用が定着してから切り替える判断もあり得ます。

4. プランの階層差を金額に換算してから選ぶ

同じ製品でも、上位プランとの単価差は小さくありません。kintoneはライトコース1,000円に対しスタンダードコース1,800円で1.8倍、Zoho CRMはスタンダード1,760円に対しエンタープライズ5,660円で約3.2倍です。30名で使う場合、Zoho CRMのプラン差は月額117,000円、年間で1,404,000円になります。

kintoneのスタンダードコースはプラグイン導入・JavaScript開発・外部サービス連携に対応し、Zoho CRMのエンタープライズはAIアシスタント「Zia」やテリトリー管理を含みます。上位プランでしか使えない機能を年間差額で割り、その金額に見合うかを判断する進め方が実務的です。

5. SFA・MAとの重複契約を整理して総額で比べる

顧客管理・営業支援・マーケティングを別々のサービスで契約していると、機能が重複したまま月額を二重に払っている場合があります。ネクストSFA/CRMはSFA・CRM・MA・BIを1つに統合し、F-RevoCRMは顧客管理・営業支援・マーケティング・問い合わせ管理をカバーする構成です。HubSpot CRMも各Hubを同一基盤で統合できます。

いま別々に払っているサービスの月額を合算し、統合した場合の金額と比べると、単体の月額では見えない差が出てきます。それぞれのツールの役割分担は、CRMとSFA・MAの違いとは?自社に必要なツールの見極め方で整理しています。

CRMの費用に関するよくある質問

Q. 顧客データの件数が増えると費用も上がりますか

顧客データ件数課金型の製品では上がります。Synergy!は顧客データ件数や配信数に応じた料金体系、カスタマーリングスは顧客データ件数やオプションによる変動と公式サイトに記載しています。Ambassador Relations Toolも無料プランの上限が顧客管理1万件・メール配信1万通で、超過すると有料プランへの移行が必要です。一方、kintoneやZoho CRMのようなユーザー課金型では、顧客データが増えても利用人数が変わらなければ月額は変わりません。顧客リストを増やし続ける前提なら、件数が増えたときの料金の上がり方を契約前に確認しておくと、後から慌てずに済みます。

Q. 「月額1,000円〜」の製品は、最小何ユーザーから契約できますか

製品によって異なります。kintoneのライトコースは1ユーザー月額1,000円(税抜)ですが最小10ユーザーのため、実質的な下限は月額10,000円です。ネクストSFA/CRMは最低10人・最低利用期間6か月、F-RevoCRM Cloudは5名単位の契約です。これに対しFlexCRMは1ユーザーから契約でき、最低契約数を設けていないと公式サイトに記載しています。数名規模で始める場合は、単価より先に最小契約単位を確認してください。

Q. CRMとSFAを別々に契約すると費用は単純に2倍になりますか

2倍になるとは限りません。ネクストSFA/CRMのようにSFA・CRM・MA・BIを1つの料金体系で提供する製品や、F-RevoCRMのように顧客管理と営業支援を同一システムでカバーする製品があるためです。一方で、既存の営業支援ツールを使い続けながらCRMを追加する場合は、2つの月額に加えて連携設定の費用が発生する可能性があります。SFA側の費用感はSFAの費用相場は?10製品の料金で比較で、両者の役割の違いはCRMとSFA・MAの違いとは?自社に必要なツールの見極め方でそれぞれ解説しています。

Q. 3年間の総額を試算するときは何を積み上げればよいですか

積み上げる項目は主に5つです。

  1. 初期費用(Synergy! 118,000円〜、F-RevoCRM Enterprise 200,000円〜など)
  2. 月額利用料×36か月(3年後の想定人数または顧客データ件数で計算)
  3. 配信チャネルなどオプションの月額×36か月
  4. 顧客データ件数の増加に伴うプラン変更分
  5. データ移行・初期設定・外部連携の作業費

顧客データは基本的に増えていく資産のため、契約時点の件数だけで試算すると3年目に想定を超えます。現在の件数に年間の増加ペースを掛けて3年後の件数を出し、その規模で見積もりを取ると、途中で乗り換える手間を減らせます。

まとめ|CRMの費用相場と次の一歩

掲載10製品の公開料金から見たCRMの費用相場は、初期費用0円〜200,000円、月額は1ユーザー1,000〜7,070円または顧客データ件数に応じた定額22,000〜50,000円が中心です。利用人数10名なら月額10,000〜70,700円、30名なら22,000〜212,100円、100名なら22,000〜707,000円が目安になります。

費用を正しく見積もるうえで重要なのは、単価そのものより「課金の分母は人数か顧客データ件数か」「最小契約ユーザー数はいくつか」「配信チャネルが基本料金に含まれるか」の3点です。まずは自社の顧客データ件数とCRMに触る社員数を数え、そのうえで無料プランのある製品でデータの棚卸しから始める進め方をおすすめします。

製品ごとの機能・カスタマイズ性・連携先まで含めて比較したい場合は、CRM(顧客管理システム)のおすすめ8選を比較【2026年版】料金・機能・選び方をご覧ください。各サービスの資料をまとめて請求したい場合は、CRM(顧客管理システム)のサービス一覧から一括でダウンロードできます。

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