「Web面接」と聞いて、ZoomやGoogle Meetで面接をすることだと思っていませんか。実際には専用ツールと汎用のWeb会議ツールでは日程調整や選考管理の機能に違いがあり、選び方によって採用担当者の運用負担が変わります。
本記事では、Web面接・オンライン選考の定義と汎用ツールとの違い、導入が増えている背景、主な機能、メリット・デメリット、導入の進め方までを解説します。具体的な製品の料金・機能比較は、後述する比較記事で扱います。
Web面接・オンライン選考とは
Web面接・オンライン選考とは、対面ではなくビデオ通話や録画動画を使って面接・選考を行う採用手法の総称です。ツールの機能そのものよりも、「対面前提だった選考プロセスのどこをオンラインに置き換えるか」という運用面の選択として捉えると理解しやすくなります。候補者は自宅やオフィスから参加でき、企業側も面接会場を用意する必要がありません。
ライブ面接と録画面接の2つの方式がある
Web面接は大きく、面接官と候補者が同時に接続して行う「ライブ面接」と、候補者があらかじめ用意された質問に回答を録画し、企業側が都合の良い時間に確認する「録画面接」の2方式に分かれます。ライブ面接はその場でのやり取りから対応力を見たい一次〜最終面接に、録画面接は多数の候補者を効率的にスクリーニングしたい書類選考後の一次選考に向いています。
汎用のWeb会議ツールとの違い
ZoomやGoogle Meetなどの汎用Web会議ツールでも通話自体は行えますが、選考業務を想定していないため、候補者ごとの日程調整や合否管理は別のツールで行う必要があります。採用特化型のツールは、こうした管理作業を面接機能に組み込んでいる点が違いです。
採用管理システム(ATS)との違い
Web面接ツールは「面接そのものをオンラインで行う」ためのツールで、応募者情報や選考ステータスを一元管理する採用管理システム(ATS)とは役割が異なります。両者は採用管理連携機能で連携するケースが多く、ATS単体の機能や選び方は採用管理システムとは?機能とメリットをわかりやすく解説で解説しています。
Web面接・オンライン選考の導入が増えている背景
Web面接・オンライン選考の導入が広がっている理由は、中途採用でのオンライン面接がすでに標準的な選考手法になっていることに加え、人手不足による採用競争の激化が重なっていることにあります。
中途採用ではWEB面接が5割を超えている
マイナビ「中途採用状況調査2026年版(2025年実績)」によると、中途採用面接全体に占める「WEB面接が50%以上」と回答した企業の割合は51.9%で、前年から3.8ポイント上昇しています。対面面接が主流だった時期に比べ、Web面接はすでに標準的な選考手法として定着しています。
人手不足で採用競争が激化している
正社員が不足していると回答した企業は50.6%にのぼります(帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2026年4月)」)。限られた候補者を早期に確保するため、地理的な制約なく応募を集められるWeb面接のニーズが高まっています。
テレワークの普及で全国・海外からの応募が増えている
総務省の令和6年通信利用動向調査によると、テレワークを導入している企業の割合は47.3%にのぼります。勤務地を問わない働き方が広がったことで、遠方や海外在住の候補者からの応募も増えており、対面前提の選考フローでは対応しきれない場面が増えています。
※各数値は2026年8月時点の調査に基づく参考値です。最新情報は各公表元の資料をご確認ください。
Web面接・オンライン選考ツールの主な機能5つ
Web面接・オンライン選考ツールの中心となる機能は、ライブ面接、録画選考、日程調整・URL自動発行、採用管理連携、AI評価・分析の5つです。
ライブ面接機能
面接官と候補者がリアルタイムでビデオ通話を行い、質疑応答をその場でやり取りします。
向いている場面:受け答えの速さや対応力を確認したい一次〜最終面接など、双方向のコミュニケーションを重視する選考段階に向いています。
録画選考機能
候補者があらかじめ用意された質問に回答を録画し、面接官が都合の良い時間にまとめて確認します。
向いている場面:応募者数が多く、面接官と候補者の日程を都度すり合わせにくい書類選考後の一次選考など、効率を優先したい場面に向いています。
日程調整・URL自動発行機能
候補者ごとに面接用のURLを自動で発行し、日程の提示から確定までをシステム上で完結できます。
この機能がないと起こること:候補者ごとにURLを個別発行し、メールで日程をやり取りする運用になり、対応工数が候補者数に比例して増えます。
採用管理連携機能
応募者情報や選考ステータスと連携し、Web面接の履歴を一元管理できます。
連携しないとどうなるか:面接結果を採用管理システムへ手作業で転記する二重管理が発生し、選考状況の更新漏れが起きやすくなります。
AI評価・分析機能
面接での対話内容をAIが分析し、評価の参考となるレポートを自動で作成します。
注意したい使い方:分析結果はあくまで参考情報であり、合否の最終判断は面接官が行う運用が一般的です。分析結果をそのまま合否基準にする使い方は推奨されません。
Web面接・オンライン選考を導入するメリット
Web面接・オンライン選考の導入効果は、企業側のコスト・工数削減と候補者の母集団拡大の2つに整理できます。
- 移動負担がなくなる:面接官・候補者ともに、会場までの移動時間や交通費が不要になります
- 候補者の母集団を広げられる:遠方や海外在住の候補者にも、地理的な制約なく面接の機会を提供できます
- 日程調整がしやすくなる:オンラインであれば候補日程の幅が広がり、選考のスピードを高めやすくなります
- 選考記録を残しやすい:録画機能があれば、面接内容を後から複数人で確認できます
導入前に確認したいデメリット・注意点
Web面接・オンライン選考は便利な一方、対面面接とは異なる注意点があります。検討段階で、非言語情報の伝わりにくさ・通信トラブル・なりすまし対策・候補者側の通信環境の4点を確認しておくことをおすすめします。
対面に比べて雰囲気や熱意が伝わりにくい
画面越しのやり取りでは、対面に比べて候補者の表情や場の空気感といった非言語情報を掴みにくくなります。最終面接だけは対面で実施する、面接官向けにオンライン面接特有の評価ポイントの研修を行うといった運用面での補完が必要です。
通信トラブルや機材トラブルが発生しうる
回線の不安定さやカメラ・マイクの不具合により、面接が中断するリスクがあります。事前の接続テストの案内や、トラブル時の代替連絡手段を候補者に伝えておくことが望ましいです。
なりすまし対策の確認が欠かせない
対面面接に比べ、オンライン面接は本人確認の難易度が上がります。身分証の画面提示を求める、録画選考と組み合わせるなど、なりすましを防ぐ運用や機能の有無を事前に確認してください。
候補者側の通信環境に差がある
候補者の自宅の通信環境によっては、映像や音声が乱れることがあります。アプリのインストールが不要でブラウザから参加できるツールを選ぶと、候補者側の負担を減らせます。具体的な機能や料金は、Web面接・オンライン選考ツールのおすすめ4選を比較【2026年版】料金・機能・選び方で確認できます。
※料金体系は2026年8月時点の各社公式サイトの調査に基づく参考情報です。最新情報は各社公式サイトでご確認ください。
Web面接・オンライン選考ツール導入の進め方
Web面接・オンライン選考ツールの導入は、選考フローの整理 → 比較・資料請求 → トライアル → 社内外への周知 → 本導入の5ステップで進めるのが一般的です。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1. 選考フローと面接方式を整理する | ライブ面接・録画選考のどちらを主軸にするか、どの選考段階で使うかを検討する |
| 2. 候補を比較・資料請求する | 採用管理システムとの連携可否、料金体系で2〜3製品に絞る |
| 3. 無料トライアルで試す | 実際の操作性や候補者側の参加のしやすさを確認する |
| 4. 面接官・候補者への案内を整える | URLの発行方法や参加手順、トラブル時の連絡先を周知する |
| 5. 本導入し運用ルールを整備する | 録画データの保存期間や本人確認の方法など運用ルールを固める |
とくに重要なのが、ステップ1の選考フロー整理です。どの選考段階をオンラインにし、どこを対面で残すかを先に決めておくことで、導入後に運用が場当たり的になるのを防げます。
Web面接・オンライン選考に関するよくある質問
Q. 汎用のWeb会議ツールとの違いは何ですか?
通話自体はZoomやGoogle Meetでも問題なく行えますが、選考業務を想定していないため日程調整や合否管理を別のツールで行う必要があります。採用特化型のツールは、こうした選考特有の管理作業を面接機能に組み込んでいる点が違いです。
Q. 対面面接は不要になりますか?
不要にはなりません。一次選考をオンラインで効率化し、最終面接は対面で実施するなど、対面とオンラインを組み合わせて運用する企業が一般的です。職種や選考段階によって使い分けるケースが多く見られます。
Q. なりすまし対策はできますか?
身分証の画面提示を求める、録画選考と組み合わせて本人確認を行うなど、ツールや運用の工夫でなりすましのリスクを下げることができます。対策の具体的な機能は製品によって異なるため、公式サイトで確認してください。
Q. 料金相場はどのくらいですか?
料金体系は製品ごとに異なり、小規模導入向けの月額数万円程度のプランから、年間契約型の本格導入プランまで幅があります。具体的な料金は、Web面接・オンライン選考ツールのおすすめ4選を比較【2026年版】料金・機能・選び方で製品ごとに確認できます。
まとめ
Web面接・オンライン選考とは、対面ではなくビデオ通話や録画動画を使って面接・選考を行う採用手法の総称です。
- 方式は大きくライブ面接と録画面接の2つに分かれ、選考段階によって使い分ける
- 導入が増えている背景は、中途採用でのWEB面接の定着(51.9%)・人手不足による採用競争の激化・テレワーク普及による遠方応募の増加の3点
- 主な機能は、ライブ面接、録画選考、日程調整・URL自動発行、採用管理連携、AI評価・分析の5つ
- 導入効果は、企業側のコスト・工数削減と候補者の母集団拡大
- 注意点は、非言語情報の伝わりにくさ・通信トラブル・なりすまし対策・候補者側の通信環境の4点
自社に合う製品を具体的に比べたい場合は、Web面接・オンライン選考ツールのおすすめ4選を比較【2026年版】料金・機能・選び方で料金・機能を一覧で確認できます。掲載サービスの一覧と資料請求は、Web面接・オンライン選考ツールのカテゴリページからご覧いただけます。
料金・機能・提供条件は変更される場合があります。契約前には必ず各社の公式サイトおよび見積もりでご確認ください。