社員研修の費用は、提供形態によって数え方そのものが変わります。1名いくらの公開講座、1日いくらの講師派遣、月額いくらのeラーニング。単位が違うものを並べても比較にならないため、まず自社が何人に何を受けさせたいかを決めないと、見積もりを取っても判断できません。
この記事では、SmartSpaceに掲載している社員研修サービス10社の公開料金を整理し、提供形態ごとの費用の考え方と、受講人数による損益分岐の計算方法を示します。
本記事に記載した料金は2026年8月時点の各社公式サイトの公開情報に基づく参考値です。コース・受講人数・実施形態により実際の金額は異なります。最新情報は各社公式サイトでご確認ください。
掲載10社の公開料金
| 提供会社 | 公開されている料金 |
|---|---|
| インソース | 13,000円/名〜(公開講座・法人契約時) |
| リクルートマネジメントスクール | 15,000円/枚〜(チケット制) |
| HRインスティテュート | 公開セミナーは1名16,500円(税込)〜 |
| JMAM(日本能率協会マネジメントセンター) | 33,000円〜(eラーニング・税込) |
| トレノケート | コースにより5,000円以下〜300,000円以上 |
| グロービス法人向け人材育成研修 | 要見積もり |
| Biz CAMPUS | 要見積もり |
| アルー階層別研修 | 要見積もり |
| ライフワークス キャリア開発研修 | 要見積もり |
| ジェイック | 要見積もり |
料金を公開しているのは5社です。公開講座の1名単価は13,000円〜16,500円に集まっており、この価格帯がひとつの目安になります。トレノケートの「5,000円以下〜300,000円以上」という幅は、短時間の基礎コースから複数日の専門研修まで扱っていることによるものです。
提供形態で費用の数え方が変わる
| 形態 | 課金の単位 | 向いている状況 | 費用が増えるとき |
|---|---|---|---|
| 公開講座 | 1名あたり | 受講者が数名。他社の受講者と交わる機会を作りたい | 受講人数に比例 |
| 講師派遣(自社開催) | 1回・1日あたり | 受講者が多い。自社の事例に合わせた内容にしたい | 実施回数に比例。人数が増えても1回の費用は変わりにくい |
| eラーニング | 月額または年額。ID単位が中心 | 全社員に基礎的な内容を届けたい。受講時期を揃えたくない | 対象者数に比例 |
| チケット制 | 1枚あたり | 複数の講座を、複数の社員が受ける | 使用枚数に比例 |
公開講座と講師派遣の分岐点を自分で計算する
受講人数が少ないうちは公開講座、多くなると講師派遣が安くなる——この関係は共通していますが、分岐点は各社の見積もり額によって変わります。次の式で計算できます。
講師派遣の1回あたり費用 ÷ 公開講座の1名単価 = 分岐点となる人数
公開講座の単価を13,000円とすると、次のようになります。
| 講師派遣の見積もり額(1回) | 分岐点 | 意味 |
|---|---|---|
| 200,000円 | 約16名 | 16名以上なら派遣が安い |
| 300,000円 | 約24名 | 24名以上なら派遣が安い |
| 500,000円 | 約39名 | 39名以上なら派遣が安い |
※ 公開講座の単価を13,000円と置いた場合の計算例です。講師派遣の金額は各社の見積もりによります。
この表の使い方は、講師派遣の見積もりを受け取ったら、その金額を公開講座の単価で割ってみることです。出てきた人数が自社の受講予定者数より多ければ、公開講座のほうが安いと判断できます。
公開講座には見えないコストがある
ただし公開講座には、受講料以外に次の費用が乗ります。人数が多いほど無視できなくなります。
- 会場までの交通費(1名あたり数千円×人数)
- 移動と受講で業務を離れる時間
- 日程が合わず、複数回に分けて派遣する手間
逆に講師派遣は、会場と備品の準備、日程調整の手間が自社側にかかります。受講料だけで比べると、実際の負担を見誤ります。
eラーニングは対象者数で考える
JMAMのeラーニングは33,000円〜(税込)と公開されています。eラーニングの特徴は、一度契約すれば受講のタイミングを個人に委ねられる点です。集合研修のように全員の日程を合わせる必要がありません。
向いているのは、コンプライアンスや情報セキュリティのように全社員に同じ内容を届けたい研修です。逆に、議論や演習を通じて考え方を身につける種類の研修では、集合形式のほうが効果が出やすくなります。内容によって形態を使い分けるのが、費用対効果の面でも合理的です。
見積もりを比較可能にする4項目
| 伝える項目 | 金額に効く理由 |
|---|---|
| 受講者数と階層 | 新入社員・中堅・管理職で内容と単価が変わる |
| 実施回数と1回あたりの時間 | 半日か1日か、複数日かで金額が大きく変わる |
| 実施形態(自社会場・オンライン・公開講座) | 会場費や交通費の負担先が変わる |
| 内容の作り込み度合い | 既存プログラムをそのまま使うか、自社事例に合わせるかで工数が変わる |
とくに4つ目が金額を大きく左右します。自社の事例や資料を使ったカスタマイズを求めると、その設計工数が費用に反映されます。まず標準プログラムで見積もりを取り、そこからカスタマイズの追加額を確認すると、何にいくら払っているかが見えます。
掲載している社員研修サービス
インソース
★★★★★★★★★★- 初期費用
- 要見積もり
- 月額費用
- 13,000円/名〜(公開講座、法人契約時)
- 無料トライアル
- 要問い合わせ
- 最短導入
- 要問い合わせ
- テクニカル・ヒューマンスキルから職能別まで4,800種類以上の講座
- 講師派遣・公開講座・動画/eラーニングの3つの受講形態から選択可能
- 法人契約で公開講座が最大50%OFF、1人あたり13,000円(税込)から
リクルートマネジメントスクール
★★★★★★★★★★- 初期費用
- 要見積もり
- 月額費用
- 15,000円/枚〜(チケット制)
- 無料トライアル
- 要問い合わせ
- 最短導入
- 要問い合わせ
- 新入社員研修・管理職研修など階層別の公開型研修が充実
- チケット制で3時間コースは1枚15,000円、10枚セットで120,000円
- 2日間の管理職研修は150,000円(税抜)程度のコースもあり
JMAM(日本能率協会マネジメントセンター)
★★★★★★★★★★- 初期費用
- 要見積もり
- 月額費用
- 33,000円〜(eラーニング、税込)
- 無料トライアル
- 要問い合わせ
- 最短導入
- 要問い合わせ
- 階層別・テーマ別の公開セミナーをオンライン・対面両形式で提供
- 「新任管理者ベーシックコース」は165,000円(税込)/名
- 新入社員向けeラーニング「フレッシャーズ・ビュッフェ」は33,000円(税込)/名
社員研修の費用に関するよくある質問
Q. 社員研修の費用相場はいくらですか
提供形態によって単位が違うため、単一の相場はありません。掲載10社のうち料金を公開している5社では、公開講座の1名単価が13,000円〜16,500円、eラーニングが33,000円〜という水準です。トレノケートはコースにより5,000円以下〜300,000円以上と幅を示しています。講師派遣型は各社とも要見積もりです。
Q. 公開講座と講師派遣はどちらが安いですか
受講人数によって逆転します。「講師派遣の1回あたり費用 ÷ 公開講座の1名単価」が分岐点となる人数です。公開講座の単価を13,000円とすると、派遣の見積もりが200,000円なら約16名、300,000円なら約24名が分岐点になります。この計算に加えて、公開講座では受講者の交通費と移動時間が別にかかる点も考慮してください。
Q. 料金を公開していない会社が多いのはなぜですか
受講者数・階層・実施回数・カスタマイズの度合いによって構成が変わるためです。とくに自社の事例や資料を使った内容の作り込みは設計工数を伴うため、定価を出しにくくなります。まず標準プログラムで見積もりを取り、そこからカスタマイズの追加額を確認すると内訳が見えます。
Q. eラーニングと集合研修はどう使い分けますか
内容で分けるのが合理的です。コンプライアンスや情報セキュリティのように、全社員に同じ内容を確実に届けたい研修はeラーニングが向きます。議論や演習を通じて考え方を身につける種類の研修は、集合形式のほうが効果が出やすくなります。全社共通の基礎をeラーニング、階層別の育成を集合研修という組み合わせが実務では多く見られます。
まとめ|人数を決めてから見積もりを取る
社員研修の費用は、公開講座なら1名13,000円〜16,500円、eラーニングは33,000円〜が掲載企業の公開値です。講師派遣型は要見積もりのため、受け取った金額を公開講座の単価で割って分岐点の人数を出すと、どちらが安いかを判断できます。
比較を成立させるには、受講者数と階層、実施回数と時間、実施形態、内容の作り込み度合いの4点をそろえて各社に伝えることです。この4点が揃っていない見積もりを並べても、安い高いの判断はできません。
提供会社ごとの特徴を横並びで比較したい場合は社員研修サービスのおすすめを徹底比較を、基本的な考え方から確認したい場合は社員研修サービスとは?をご覧ください。各社の資料をまとめて請求したい場合は社員研修サービスのサービス一覧から確認できます。
記載した料金は2026年8月時点の各社公式サイトの公開情報に基づく参考値です。分岐点の計算は本記事が置いた仮の前提によるもので、実際の金額は各社の見積もりによります。最新情報は各社公式サイトでご確認ください。