ECサイト構築の費用を調べると、「0円で始められる」という情報と「数百万円かかる」という情報が同時に出てきます。どちらも正しく、構築方式が違えば桁が変わるのがこの領域の特徴です。自社がどの方式を選ぶべきかが決まらないまま金額だけを調べても、判断材料になりません。
この記事では、SmartSpaceに掲載しているECサイト構築サービス10製品の公開料金を並べ、費用が3つの層に分かれることを示します。そのうえで、どの層を選ぶべきかを売上規模と要件から判断する基準を整理します。
本記事に記載した料金は2026年8月時点の各社公式サイトの公開情報に基づく参考値です。月額・初期費用のみを扱っており、決済手数料・販売手数料は含みません。最新情報は各社公式サイトでご確認ください。
掲載10製品の料金一覧
| 製品 | 提供会社 | 初期費用 | 月額 |
|---|---|---|---|
| BASE | 株式会社BASE | 0円 | 0円〜(グロースプランは16,580円〜) |
| STORES | STORES, Inc. | 0円 | 0円〜(スタンダードプランは年間契約で月額換算3,300円) |
| カラーミーショップ | GMOペパボ株式会社 | 0円(有料プランは3,300円〜) | 0円〜(有料プランは4,950円〜) |
| EC-CUBE | 株式会社イーシーキューブ | 0円(オープンソース版)/要見積もり(Enterprise版) | 要見積もり(Enterprise版・保守プランによる) |
| Shopify | Shopify Inc. | 0円 | 4,850円〜(年払いは3,650円〜) |
| MakeShop | GMOメイクショップ株式会社 | 11,000円 | 11,000円〜 |
| futureshop | 株式会社フューチャーショップ | 22,000円〜 | 27,000円〜 |
| ecbeing | 株式会社イーシービーイング | 数百万円〜(フルカスタム型) | 要見積もり |
| W2(W2 Unified) | W2株式会社 | 要見積もり | 要見積もり |
| ecforce | 株式会社SUPER STUDIO | 要見積もり | 要見積もり |
費用は3つの層に分かれる
上の表を並べ替えると、金額が連続的ではなく、はっきりと3つの層に分かれることが分かります。
| 層 | 月額 | 該当する製品 | 想定 |
|---|---|---|---|
| 無料ASP型 | 0円 | BASE/STORES/カラーミーショップの無料プラン、EC-CUBE(オープンソース版) | まず売ってみる段階。商品数が少なく、運用は1人 |
| 有料ASP型 | 3,300円〜27,000円 | STORES/カラーミーショップ/Shopify/MakeShop/futureshop | 継続的に運営する段階。デザイン・機能・手数料条件を改善したい |
| パッケージ・カスタム型 | 数百万円〜(初期) | ecbeing/W2/ecforce/EC-CUBE(Enterprise版) | 基幹システムとの連携、独自の販売ロジック、大量商品・大量受注 |
有料ASP型の中でも、月額3,300円台と27,000円では8倍の差があります。この差はデザインの自由度、機能の範囲、手数料条件に対応しており、月商が大きいほど手数料条件の差が月額の差を上回ります。
月額だけを比べると判断を誤る
ECサイトの費用でもっとも見落とされやすいのが、月額以外の費用です。判断には次の項目を合算する必要があります。
| 費用項目 | 性質 |
|---|---|
| 月額利用料 | 固定。上の表の金額 |
| 決済手数料 | 売上に比例。プラン・決済手段により異なる |
| 販売手数料・サービス利用料 | 売上に比例。無料プランで高めに設定されることが多い |
| 振込手数料 | 入金1回ごと |
| 独自ドメイン・SSL | 年額。プランに含まれる場合もある |
| デザインテンプレート・アプリ | 買い切りまたは月額 |
| 制作費 | 自社で作るか外注するかで大きく変わる |
とくに売上に比例する手数料は、月商が上がるほど固定費より重くなります。無料プランは月額0円の代わりに手数料が高めに設定されることが一般的で、ある月商を超えると有料プランのほうが総額で安くなります。手数料率は製品・プランごとに異なるため、候補を2つ3つに絞ったうえで各社の公式サイトで確認し、自社の想定月商をあてはめて計算してください。
どの層を選ぶかの判断基準
1. 月商が固まっていないなら無料ASP型
まだ売れるかどうか分からない段階で、月額を払う理由はありません。BASE・STORES・カラーミーショップは無料プランを用意しており、初期費用も0円です。商品を並べて反応を見ることが目的なら、この層で十分です。
2. 継続的な運営に入ったら有料ASP型
移行の目安は、手数料の総額が有料プランの月額を上回ったときです。月額3,300円のプランなら、手数料率の差が3%であれば月商11万円程度が分岐点になります。この計算は自社の手数料条件で行ってください。
加えて、デザインの自由度や、独自ドメイン、外部システム連携といった要件が出てきた時点でも移行を検討する段階です。掲載製品では月額4,850円のShopify、11,000円のMakeShop、27,000円のfutureshopがこの層にあたります。
3. 基幹システム連携が必要ならパッケージ・カスタム型
在庫を実店舗と共有する、基幹システムから商品情報を配信する、独自の会員制度や定期購入のロジックを組む。こうした要件が出ると、ASP型の設定変更では対応できません。ecbeingのフルカスタム型は初期数百万円〜という水準で、W2・ecforceは要見積もりです。
この層に進む判断は、機能の欲しさではなく「既存の業務システムと繋ぐ必要があるか」で決まります。連携が不要なら、有料ASP型で足りることがほとんどです。
4. 開発体制があるならオープンソースという選択
EC-CUBEはオープンソース版を無償でダウンロードできます。ソフトウェア自体は0円ですが、サーバー費用、構築の工数、セキュリティ対応、バージョンアップの作業が自社負担になります。開発・運用の体制がある企業でなければ、結果的にASP型より高くつく点は注意が必要です。
掲載しているECサイト構築サービス
BASE
★★★★★★★★★★- 初期費用
- 0円
- 月額費用
- 0円〜(グロースプランは16,580円〜)
- 無料トライアル
- あり(スタンダードプラン)
- 最短導入
- 即日
- 初期費用・月額費用0円で商品が売れるまで費用がかからない
- 個人事業主・ハンドメイド・D2Cの初期立ち上げに人気
- 売上規模拡大時はサービス利用料0円のグロースプランに切替可能
Shopify
★★★★★★★★★★- 初期費用
- 0円
- 月額費用
- 4,850円〜(年払いは3,650円〜)
- 無料トライアル
- あり(3日間無料、その後3ヶ月間月額150円)
- 最短導入
- 要問い合わせ
- 無制限の商品登録数と世界水準のチェックアウト機能
- AIアシスタント「Sidekick」と24時間日本語サポート
- 13,000以上のアプリによる機能拡張、SNS・モール型ECとの連携
MakeShop
★★★★★★★★★★- 初期費用
- 11,000円
- 月額費用
- 11,000円〜
- 無料トライアル
- 要問い合わせ
- 最短導入
- 要問い合わせ
- 有料ASPカートで導入実績・流通額トップクラス
- クレジットカード決済手数料は業界最安水準の3.14%
- 2店舗目以降は初期費用無料になる複数店舗割引あり
ECサイト構築の費用に関するよくある質問
Q. ECサイト構築の費用相場はいくらですか
構築方式によって3つの層に分かれるため、単一の相場はありません。掲載10製品では、無料プランが0円、有料ASP型が月額3,300円〜27,000円、パッケージ・フルカスタム型が初期数百万円〜という分布です。まず自社がどの層に該当するかを、基幹システム連携の要否と月商規模から判断してください。
Q. 月額0円で本当にECサイトを運営できますか
運営できます。BASE・STORES・カラーミーショップは無料プランを用意しており、初期費用も0円です。ただし月額以外に、決済手数料・販売手数料・振込手数料が売上に応じて発生します。無料プランはこれらの手数料が高めに設定されることが一般的なため、月商が上がると有料プランのほうが総額で安くなります。手数料率は各社の公式サイトでご確認ください。
Q. 有料プランへ移行する目安はどこですか
手数料の総額が有料プランの月額を上回ったときが、費用面での分岐点です。手数料率の差が3%で、有料プランの月額が3,300円なら、月商11万円程度が目安になります。費用以外では、独自ドメインを使いたい、デザインを細かく調整したい、外部システムと連携したいといった要件が出た時点も移行のタイミングです。
Q. オープンソースのEC-CUBEなら費用を抑えられますか
ソフトウェア自体は無償ですが、サーバー費用・構築工数・セキュリティ対応・バージョンアップ作業が自社負担になります。社内に開発・運用の体制があれば柔軟性の高い選択肢ですが、外注する場合は制作費と保守費が発生するため、ASP型より高くなることもあります。体制の有無で判断してください。
まとめ|相場を探す前に、どの層かを決める
ECサイト構築の費用は、無料ASP型(0円)、有料ASP型(月額3,300円〜27,000円)、パッケージ・カスタム型(初期数百万円〜)の3層に分かれます。層をまたいだ平均に意味はないため、まず自社がどの層かを決めることが先です。
判断軸は「基幹システムとの連携が必要か」と「月商がどの水準か」の2点です。連携が不要で月商が固まっていない段階なら無料ASP型、継続運営に入って手数料が月額を上回るなら有料ASP型、既存システムと繋ぐ必要があるならパッケージ・カスタム型が対象になります。
製品ごとの機能・料金を横並びで比較したい場合はECサイト構築サービスのおすすめを徹底比較を、基本的な仕組みから確認したい場合はECサイト構築とは?をご覧ください。各社の資料をまとめて請求したい場合はECサイト構築サービスのサービス一覧から確認できます。
記載した料金は2026年8月時点の各社公式サイトの公開情報に基づく参考値です。月額・初期費用のみを扱っており、決済手数料・販売手数料・振込手数料は含みません。プラン内容・価格は変更される場合があるため、最新情報は各社公式サイトでご確認ください。