インターネットFAXとは?機能とメリットをわかりやすく解説

インターネットFAXとは?機能とメリットをわかりやすく解説

2024年1月の電子帳簿保存法改正で電子取引データの電子保存が義務化されて以降、FAXで受け取る書類も含めた業務のペーパーレス化を見直す企業が増えています。取引先との受発注に今もFAXを使いながら、複合機のインク切れや紙詰まり、テレワーク中に届いたFAXをすぐ確認できないといった不便さを抱えている方に向けて、インターネットFAXの基本を整理します。

本記事は、インターネットFAXの定義、導入が広がっている背景、主な機能、導入のメリットと注意点、検討の進め方に絞って解説します。サービスごとの具体的な料金・機能を比べたい場合は、後述する比較記事もあわせてご覧ください。

インターネットFAXとは

インターネットFAXとは、電話回線ではなくインターネット回線を使い、パソコンやスマートフォンでFAXを送受信できるサービスです。受信したFAXはPDFなどのデータとしてメールやクラウド上に届き、送信もメールに添付するかWebブラウザから操作するだけで完結します。「クラウドFAX」「Web FAX」と呼ばれることもあります。

紙のFAXを使い続けると、複合機のリース料や紙・インク代といった固定費に加え、オフィスに誰かがいなければ受信内容を確認できないという運用上の制約が残ります。テレワークや外出先での対応が当たり前になった働き方では、この「オフィスに縛られる」制約自体が業務のボトルネックになりやすく、インターネットFAXへの切り替えが検討される理由になっています。

似た仕組みに「PC FAXモデム」がありますが、これは自社のパソコンにFAX機能を持たせるための機器・ソフトであるのに対し、インターネットFAXは事業者がクラウド上で番号とインフラを用意するサービスである点が異なります。

インターネットFAXの導入が増えている背景

インターネットFAXの導入が広がっている背景には、書類の電子化を求める法制度・テレワークの定着・FAX自体の根強い利用という3つの動きがあります。

  • 電子帳簿保存法・インボイス制度への対応が求められている — 電子帳簿保存法は2024年1月から電子取引データの電子保存が完全義務化され、インボイス制度も2023年10月に施行されました。FAXで受け取った書類も、クラウドFAXならPDFなどのデータとして保存でき、電子データとしての保存・検索の要件に対応しやすくなります
  • テレワーク・ハイブリッドワークが定着した — オフィスに全員がそろわない働き方が広がる一方、取引先とのやり取りには今もFAXが使われる場面が残っています。出社しないと確認できないFAX機のままでは、対応の遅れや機会損失につながりかねません
  • FAXでの受発注が根強く残っている業種がある — 製造業や卸売業など、取引先の設備事情からFAXでの受発注を続けている業種は少なくありません。取引先の運用を変えられない以上、自社側の受信・送信をペーパーレス化する手段としてインターネットFAXが選ばれています

※法制度の施行時期は2026年8月時点で確認できた公表情報に基づく参考値です。最新情報は各制度の公式情報でご確認ください。

インターネットFAXの主な機能

インターネットFAXの中心となる機能は、メール受信転送・メール送信・クラウド保管・複数拠点共有・市外局番の取得の5つです。サービスによって呼び方や対応範囲は異なりますが、この5つはほぼ共通して備わっています。

FAX受信のメール自動転送

受信したFAXをPDFなどのデータに変換し、あらかじめ指定したメールアドレスへ自動で転送する機能です。待機・捜索の手間をなくす:FAX機の前で受信を待ったり、届いた紙を後から探したりする必要がなくなります。

メールやアプリからのFAX送信

送りたい書類をメールに添付する、またはWebブラウザやアプリにアップロードするだけでFAX送信が完了する機能です。複合機まで移動して原稿をセットする作業は、もう必要ありません。外出先からでも数分で送信が完了します。

クラウド上でのデータ保管・検索

送受信したFAXをクラウド上に一定期間保存し、日付や送信元で検索できる機能です。紙のファイリング作業が不要に:過去のFAXを探すためにバインダーをめくる作業がなくなり、検索条件を入力するだけで済みます。

複数拠点・複数担当者での共有

同じFAX番号宛の受信データを、複数のメールアドレスや拠点にまとめて振り分けられる機能です。何が楽になるか:複数拠点での共有により、本社に届いたFAXを支店の担当者へ転送し直す手間がなくなります。

市外局番の取得・ナンバーポータビリティ

全国の主要都市の市外局番を新規に取得したり、既存のFAX番号を引き継いだりできる機能です。番号変更の案内が不要に:既存番号をそのまま引き継げれば、取引先へ番号変更を知らせる手間や、案内漏れによる送受信ミスを避けられます。

5つの中心機能のほかに、OCR機能による文字の読み取り、送信結果の管理画面での確認、送信専用・受信専用の分離契約などを備えるサービスもあります。

インターネットFAXを導入するメリット

インターネットFAX導入で得られる効果は、次の5点に整理できます。

  • コスト削減 — FAX複合機のリース代・保守費、紙やインクの購入費用がかからなくなる
  • 場所を選ばない業務対応 — パソコンやスマートフォンがあれば、外出先やテレワーク中でも送受信できる
  • 紛失・誤送信リスクの低減 — 紙の書類が机上に放置されたり、誤って別の紙と混ざったりするリスクが減る
  • 電子データとしての保存・検索のしやすさ — 受信したFAXがPDFなどのデータで残るため、後から探しやすくなる
  • 複数人・複数拠点での情報共有 — 同じFAX番号宛の受信内容を、必要な担当者全員に自動で届けられる

とくに効果を感じやすいのは、複数拠点で同じFAX番号を使っている組織や、テレワークを取り入れているのにFAX対応のためだけに出社している組織です。

導入前に確認したいこと(デメリット・注意点)

導入すれば自動的にコストが下がるわけではありません。次の4点を検討段階で確認しておくことをおすすめします。

  • 利用頻度が低いと割高になることがある — 多くのサービスが月額基本料と従量課金を組み合わせており、送受信が少ない月でも基本料はかかる。自社の月間の送受信枚数を事前に把握しておくと選びやすくなる
  • 手書き資料はスキャンの手間が増える — 紙に手書きした資料を送る場合、一度スキャンしてPDF化する必要があり、複合機からそのまま送るより工程が一つ増える
  • 通信環境に依存する — インターネット回線が不安定な場合や通信障害時には、送受信ができなくなるリスクがある
  • セキュリティ対策の確認が必要 — 書類データがインターネットを経由するため、通信の暗号化やアクセス権限の設定状況を事前に確認しておきたい。料金体系や機能の詳しい比較はインターネットFAXのおすすめ4選を比較【2026年版】料金・機能・選び方で解説しています

インターネットFAX導入の進め方

インターネットFAXの導入は、利用状況の整理 → 候補の比較・資料請求 → 番号の移行検討 → 申し込み → 運用設定という流れで進めるのが一般的です。

ステップ 内容
1. 利用状況を整理する 月間の送信・受信枚数、送受信どちらが中心かを洗い出す
2. 候補を比較・資料請求する 料金体系、市外局番の選択肢、複数拠点での共有可否をもとに2〜3サービスに絞る
3. 既存番号の移行を検討する 現在のFAX番号を引き継ぐか、新規番号に切り替えるかを決める
4. 申し込む 必要書類を用意し、Webから申し込む。多くのサービスは即日〜数日で利用開始できる
5. 転送先メールなどを設定する 受信FAXの転送先メールアドレスや、共有する担当者の範囲を設定する

複数拠点で導入する場合は、拠点ごとに番号を分けるか一つの番号を共有するかによって設定や運用ルールが変わるため、事前に決めておくとスムーズです。

インターネットFAXに関するよくある質問

Q. インターネットFAXの料金相場はどのくらいですか?

サービスや契約形態によって幅がありますが、初期費用は無料〜数千円程度、月額料金は数百円〜2,000円程度がボリュームゾーンとされています。具体的な料金例はインターネットFAXのおすすめ4選を比較【2026年版】料金・機能・選び方で紹介しています。

Q. 既存のFAX番号をそのまま使えますか?

サービスによって対応が異なります。既存番号の移行(ナンバーポータビリティ)に対応しているかどうかは、申し込み前に必ず確認しましょう。

Q. 送信だけ、受信だけの契約はできますか?

送信専用・受信専用を分けて契約できるサービスもあります。送受信どちらか一方が中心の場合は、分離契約に対応したサービスを検討すると費用を抑えられることがあります。

まとめ

インターネットFAXとは、パソコンやスマートフォンでFAXを送受信できる、ペーパーレスなFAXサービスです。

  • 電子帳簿保存法・インボイス制度への対応やテレワークの定着を背景に導入が広がっている
  • 主な機能はメール受信転送・メール送信・クラウド保管・複数拠点共有・市外局番の取得の5つ
  • メリットはコスト削減、場所を選ばない業務対応、紛失リスクの低減、保存・検索のしやすさ、複数人での情報共有
  • 注意点は利用頻度による割高感、手書き資料の手間、通信環境への依存、セキュリティ対策の確認
  • 導入は利用状況の整理から運用設定まで、段階を踏んで進めると移行がスムーズ

自社に合うサービスを具体的に比べたい場合は、インターネットFAXのおすすめ4選を比較【2026年版】料金・機能・選び方をご覧ください。掲載サービスの一覧と資料請求は、インターネットFAXのカテゴリページからご利用いただけます。

制度・料金に関する情報は2026年8月時点の調査に基づく参考値です。最新情報は各制度・各社公式サイトでご確認ください。

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